2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(6)(最終回)

●横浜トリエンナーレの可能性 横浜トリエンナーレのポジティブな面を見ていきたい。まず、これだけまとまった数の海外の現役のアーティストが招来され作品が展示されたことは、やはり良かったと思う。このような企画でもないかぎり、日本での紹介が難かしか…

池田孔介氏の「童話/日記」において、昨日の僕のエントリが取り上げられている。2005.12.28の記事だ。 http://www3.ocn.ne.jp/~artsysm/web.diary.html レオ・スタインバーグの論文の事など、極めて有益なtxtなので、ぜひご参照を(僕はこの論文知らなかった…

横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(5)

●横浜トリエンナーレの限界とにかく半数も見ていないのだから、ややtxtを書くのにためらいがある。だが、そもそも多くの作品を敬遠したのは、この横浜トリエンナーレの大きな特徴である「観客体験型」美術というものに抵抗を覚えたためだ。なぜこれほどまで…

注記

12/27のこのエントリでは、superflat氏の応答に答えて横浜トリエンナーレでのカリン・ハンセン氏の作品を取り扱ったのだが、僕はカリン・ハンセン氏の絵画作品に近接して設置されていた照屋勇賢氏のパブロ・カザルスの演奏の録音がドアの向こうから聞こえて…

横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(4)

superflat氏が、僕のカリン・ハンセンへのコメントに対し異論を提出されている。URLは以下。 http://blog.goo.ne.jp/superflat/e/a2c040e0e8bf517968e22e5d6030ba5d うん。なるほど。有意な異論だと思う。というわけで、僕のカリン・ハンセンへの記事中にsup…

横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(3)

●ソイ・プロジェクト いろいろやってたみたいだけど、僕が体験したのは迷路。パネルで区切られた部屋に入ると、そこにはマンガみたいなイラストが張られたトビラがある。それを開けると又おなじような部屋が。そんな感じでどんどん進む。この進み方でマンガ…

横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(2)

横トリに遊びにいった当日はとりあえず泣く程寒かったわけだけど、その分空気が澄んでて、海と空がとてもきれいだった。海見ると嬉しくなっちゃうのは埼玉野郎の悲しい習性、といわれればその通り(大宮出身だぜオイラ)。でもあの透明感は誰でも気持ちよか…

横浜トリエンナーレ/サーカスは回転したか(1)

横浜トリエンナーレに行ってきた。個人的にはあまり面白い経験とは言えなかった。メイン会場のみ、それもそこにある作品全部を見たわけではないので、上記のような限定的な言い方になるのだが、正直なところ全ての作品を丹念に見てみたくなる「誘惑」に欠け…

これも終わってしまった展覧会だが、目白のギャラリーポポタムで、わだときわミニ展を見てきた。このtxtのアップロードに、展示を見てから1週間もかかってしまったのは理由がある。言葉にするのに時間が必要な作品群だったのだ。わだ氏については今年の6月の…

川端龍子展

終わってしまったけれども、江戸東京博物館で川端龍子展を見てきた。主軸となる大形の日本画はあまり面白くなかった。当時の日本画の文脈の中でスペクタクルな「会場芸術」を提起したという国内美術史的な意味もあるのだろうし、実際「スペクタクル」な美術…

古谷利裕氏が「偽日記(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/nisenikki.html)」で、三鷹市美術ギャラリーの絵画の湯展について、とてもポジティブな評価のtxtを書いている。僕のエントリが呼び水になっているみたいで嬉しい。いずれにせよ良い展覧会な…

三鷹市美術ギャラリー/Colorful温泉 絵画の湯展(3)(最終回)

さんざん高松次郎について書いておいてそれはどうよとは思うけど、僕が一番好きになって会場出入り口で行われている「投票チューブ」に色玉を入れた作品は、辰野登恵子氏のリトグラフ「May-25-91」だった。1991年の作品で、196cm×130cmの大形版画である。大…

三鷹市美術ギャラリー/Colorful温泉 絵画の湯展(2)

(1)で充実したコレクションと書いたが、さすがに体系的とまでは言いがたい。それでも一定の作品数が揃っていて、一応作家の思考の展開が追えるだけの流れがあるのが高松次郎の作品群だ。生前は三鷹在住だったらしい。1960年の水彩の仕事から1968年-72年の…

三鷹市美術ギャラリー/Colorful温泉 絵画の湯展(1)

三鷹市美術ギャラリーで行われている「Colorful温泉 絵画の湯展」は、とても面白い展覧会だった。三鷹市のコレクションからこの展覧会を企画したNPO法人MAG-netがチョイスした作品で構成されているが、その選択が素晴らしい。もちろん三鷹市の充実したストッ…

雑記

で、イタリア旅行を計画しているわけだ。わずかな日数なので、大詰め込み大会になりそう。なにしろ初の海外なので、すんごい緊張する。そのうえ、美術館や教会の予約をとらねばならないっぽいのだが、これが当然イタリア語。知るかよイタリア語なんて。ぼー…

埼玉県立近代美術館で、ゲント美術館名品展を見てきた。そこに出ていたアンソールの油彩1点が印象的だった。 なんということのない小品で、アトリエのウイリーフィンチ像を描いている。縦長の構図に、右側面を見せて立つ人物は、やや暗くイエローオーカーや…