2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

吉祥寺A-thingで展示されている古谷利裕氏の絵画作品は美しい。その色彩の鮮やかさは、古谷氏の作品を見た事のある人にこそ、より強く働きかけるのではないだろうか。この展覧会は古谷氏の旧作からギャラリーが選んだもので構成されているということだが、恐…

06 TDC展で見ることができた大日本タイポ組合の出品作は深い悪意に満ちている。この作品がいくつか準備されていた賞を逃している(にもかかわらず受賞作品と同じフロアに同等に置かれている)のは、いわば必然と言える。大日本タイポ組合は、この賞が判断す…

ギャラリー千空間で堀由樹子展を見た。1Fに大形の油彩画とドローイング、2Fに小品の油彩とシルクスクリーンの作品、ドローイング、M60号程度の油彩があった。堀氏の作品の特質は、油絵の具が混色されてゆっくりと積み重ねられながら、そのくすみが微妙な地点…

埼玉県立近代美術館でホルスト・ヤンセン展を見た。ここで見られるのは「線の力」というべきものだ。ヤンセンの引くたった一本の線に内在する「力」は、彼を巡って繰り広げられている瑣末なおしゃべり、すなわち生と死とか、画家の奔放な生きざまからうまれ…

平倉圭氏のゴダール論「ダイアグラム的類似」がpdf文書にて公開されている。 http://bleakg.exblog.jp/2951661/ ここに示されているのは「徹底的に作品を見る」という態度で、例えばそこに何事かの外部を導入し「読む」という行為は否定されている。平倉氏は…

この前書いた色に関してもう少し。 色というのは観念的なものではなくて、モノの一断面というか、モノの組成を「表現」している、あるいは「あらわれ」としてあるものの筈だ。例えば空が青いのは、大気中の窒素が太陽光の赤の波長を吸収し青を反射する属性を…

第一次大戦プロパガンダポスター

こらすごい。id:morohiro_s:20060405さんの所で知りました。 http://archives.iii.u-tokyo.ac.jp/ 版種の判別が大変だったとある。やったのは女子美の先生。&凸版印刷。石版はまぁ予想されたが、HBプロセスってなんだ?以下のなんか、ドラクロワの「民衆を率…

雑記。製作の話し。●今描いているのは、画布を木わくに張らずに床に広げて油彩で描く、というヤツなのだけど、これを始めたのはロールキャンバスから必要な部分を切った、残りの細長ーい余りが巻かれたまま作業部屋のすみっこに転がっていて、それを使いたく…

ギャラリー山口の地下で中津由紀展を見た。わずかに透明感を持った白い紙のようなものが幾重にも重なって、ちょうど両手の平に乗るような大きさの形態を作っている。壁に設置された、薄い棚に置かれている。多くの作品が、ほぼ対称な2点で1組みとされている…

MONT BLUEで平体文枝展を見た。40cm×40cmのスクエアのキャンバスに油絵の具で描かれた絵画が6点展示されていた。平体氏の作品に感じられるのは、もったりとした絵の具を重ねていくことで浮かび上がる色彩の、とても微妙で複雑な輝き方だ。例えば平体氏のつく…

ギャラリー山口で行われている依藤奈々展を見た。キャンバスに油彩で描かれた絵画だ。まるで画面に自動車のタイヤによるブレーキ痕が刻まれ、その集積があるイメージをふと喚起してしまうような作品だと感じた。ここに見られるのは、画布と作家の身体の間に…

建築家ユニットIKMOの自宅兼スタジオ「キチ001」のオープンハウスに行って来た。東京東部にある築34年の木造家屋を、構造だけ残してリノベーションしたものだった。詳細は以下を参照のこと。 http://www5b.biglobe.ne.jp/~ikmo/ 古い住宅密集地に立っている…