2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

少し前に前川國男の自邸を見て来た。本来建っていた場所から武蔵小金井の江戸東京たてもの園に移築されたのだそうだ。私が感じたのは、目立つ中央吹き抜けの心地よさというよりはむしろ「狭さ」と「低さ」が生み出す関係のコントロールの緻密さだ。大きな切…

・義理の祖父が亡くなって、しばらく経った。私は亡くなる直前に見舞った時、もう少しだけ猶予があると思いこんでいて、訃報を聞いたときは上手く飲み込めなかった。 ・じんわりと死、というものの感触が、自分の中で感じ取れるような気配がある。こういう事…

狩野芳崖は10代前半から中頃で画家としておおよそ完成している。東京藝術大学美術館で見た「狩野芳崖 悲母観音への軌跡」展で感じられたのはそういう事だ。ここでの「完成」とは、いわば絵を描く時の絵描きの構え、そこから生み出される線や色彩の質の事だ。…

土曜日に、ふとテレビをつけたら、上下が切れて横長になった画面に、道路の向こうから歩いてくる子供二人をとらえた映像が出て、あ、と思った。これは普通の映像ではない、と思って、もうチャンネルを動かせなくなった。これは映画なのだ、とその明らかにフ…