東京オペラシティアートギャラリー

金曜日の話ですが、行ってきました。
http://www.operacity.jp/ag/

フランスの建築家ジャン・ヌーベル展は、なんというか、プレゼン技術の粋を集めた感じ。ま、かっこいいですよたしかに。僕は、懐かしいSFアニメを思い出しました。建築の外的フォルムが一番印象に残る。大友克洋とか手塚治虫とか松本零士とか。ファンタジックな形態が繊細なディティールで支えられてる感じ。絶対この人日本のアニメとか見てる。テッパンで。趣味的にはかなり好きだけど。

ただ、なんというか、この人は「かっこいいカタチ」「かっこいい視覚効果」をつくることしか考えてない気がする。要するにロマンティックなんだな。全体性と物語の回復?そこまで含めてアニメ調だぞこのハゲ。

ジャン・ヌーベルの建築は、視覚に対して異常に隷属的な感じがする。それは美しく、官能的でドラマティックだ。でも、それだけなんじゃないのか。ガラスを多用して周囲の「自然」を映し込んだり重量感なくしたり。古典的つうか。その手つきは見事な職人だとは思うけど、妙に復古的じゃないですか。

芸術の経験て、ランダムに入力される感覚のずれ(視覚・聴覚・触覚や空間感覚、身体感覚)が全て違う次元で展開し始めながら、自意識が危うく成り立っている地点で得られるものだとおもうけど、この人の建築を見るかぎり、それはすごく視覚(網膜)的な快楽しかなくて、その一元的な快楽に、自分の同一性がガンガン強化されそうな印象。この展示が、プロジェクタによる映像展だからですかね。

電通本社ビルは、会場のプレゼンみたいに文字が浮き出るとサイバーっぽくてキュートだと思ったけど、これを見るとただのガラスの塔だね。施行は大林組ですか。ふーん。
http://tenplusone.inax.co.jp/fieldwork/photoarchi/0306/014.html