サッカーワールドカップ、日本×オーストラリアの結果には「リアルだなぁ」という感慨が浮かぶ。日本代表チームが積み上げて来た4年間そのままが表れていたように思う。日本代表は個々の局面でボールへの寄せが遅く、結果的に多くのセカンドボールを奪われていた。ほとんど嘘みたいな先取点を取ってからは、日本のプレーにはどこか残り時間が過ぎるのを「待って」いるような雰囲気があった。オーストラリア代表はけして想像を超えて強かったわけではないと思うけれども、彼等は明確な意志の元、「素早く確実に90分隙間なく」走っていて(確実性はやや怪しかったが)、僕が昨日書いたエントリの懸念がそのままピッチに現れていた。ジーコの采配はずっとあんなものだったし、今さら驚かない。日本代表は妙に淡々と90分間を過ごしていて、なんだかワールドカップの中に1つだけ親善試合をしているチームが紛れ込んでいるようだ。あの状況が修正できない限り、クロアチア戦でも相応にリアルなゲームが待ち受けているのではないか。


イタリアはガーナ相手に順当に勝った。試合を見てはいないのだが、ダイジェストなどを見ると固い守りから確実にゴールを上げて、お手本みたいな試合だったようだ。僕は少し前までのイタリア代表のゲームが本当に嫌いで、べたべたの守りの中で1点とって逃げきりみたいな、面白くもなんともない展開が多かったように思う。ギリシャが優勝した2004年のEURO選手権でのイタリアは最悪だった。でもその年から監督が交代し、状況が変わった。堅固な守りはきちんと維持しつつ、攻撃にもリソースを割いて、はっきりと戦略的に、つまり意志的に点を取りに行くようになった。こうなってくるとイタリアは十分優勝候補の一角となったと言いたくなる。個人的にはフィオのトニのゴールシーンが見たいのだけれども、とりあえず地上波で中継してくれませんか。今日は日本代表が関係なくとも注目したいブラジル×クロアチア戦があるが、その前に韓国×トーゴ、フランス×スイスと、気になる試合が連なっていて、起きていられるかが微妙。