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土曜日は那須の殻々工房へ展示をしに行ってきた。心配された雪はひとかけらもなく晴れて、安心して出かけたのだが、行きにナビゲーター役の僕が大ぽかをやってしまい、車を出してくれた友人には迷惑をかけてしまった。混雑はなく高速道路の状況自体は順調だったため、作業開始はおくれずに済んだ。
作品の配置は、ノープランとはいえ大体こんな感じで、といったイメージはもっていた。が、いざ実物を現場に並べてみれば予想は狂う。最も大きい作品は距離がとれる所に置かざるをえないから、どうしたってそれに応じた場所になるし、逆に小品は自動的にカウンター前に並ばざるをえない。それはそうなのだが、では高さは?間隔は?となると真っ白だ。ことに中くらいの大きさの作品で悩んだ。なにぶん数があるわりに横に細長く、上手くおさまらない。
スタンドテーブルの幅に合わせて均等に並べることにした小品のところだけ殻々工房のお二人に設置をお願いして、ぼくはテーブルに座って考え始めた。芳名帳をメモ代わりにして、簡単にアイディアをスケッチしてゆく。こういうのはある特定の1点を基準にしてそこから順次一種の方程式にのっけて未知数Xを求めて行くのに似ている(というより、そうなのだ)。下辺を揃え、等間隔に設置した小品と、最大の作品の並びの関係性を展開し、延長し、反転させていくことでいつの間にかプランは固まった。薪ストーブのある壁に関しては、どうしても熱を考慮することになるが、これはこれで不確定事項を埋める条件だ。
後は設置するだけ…なのだが、なにぶん不器用なのでドリルが上手く入らなかったり、不用な穴をあけたりしてしまった。ドライバーを頼んだ友人にも結局働いてもらい、なんとか設置を終えた。照明に関しては、上記の配置を殻々工房の方が完全に理解してくれていて、黙ってみていたら大体できあがってしまった。
終わってみれば、すごくリズミカルに作業が進んだ感じだったが、これはサポートしてくれた友人と殻々工房の「頭の良さ」に支えられていた結果だろう。ぶっちゃけ、あの場で一番ラフに構えていたのは確実に僕で、友人も殻々工房も、手先の厳格さにおいては余人の範疇を超えているから、一瞬だけ「あまりに厳格に決まりすぎる」ことをほんの少し気にした程だ(最終的にはしっかり僕に相応に似合ったラフさにおさまったけど)。とにかく展示のコンセプトを固めた後では皆が状況を的確に把握してくれていたので、当初考えていたより少々“凝った”展示になったわりには、びっくりするくらいスムーズな流れだった。
というわけで、既に展示は開始しています。DMの発送が遅れてますが、今週中にはなんとか。実はまだ開店営業中の状態を見ていないので、週末にまた現地へ行きます。今回はゆっくり飲むつもりです。ほとんどない酒がないみたいな店なので。
- 殻々工房のblogに、搬入途中の写真が1つ載っています。僕の後ろ姿がロシアで捕まった宇宙人みたいです。