自家製本を作って個展会場に置き、配布することを思いついた。内容はこのblogで書いたエントリを選別し必要に応じて訂正したものになるだろう。若干は新規で何か書くかもしれない。主に古典及び近代絵画についてのものを中心にしたいが、コンテンポラリーな作家・作品のものも入れられるだろうか。他には写真についての記事などもあるが、これは別口にしたほうがいいだろう。マンガや映画などについてのものは、完全に別にすべきだろうから、これは今回扱わないかもしれない。まぁこんなものを欲しがる人もいないだろうから、大した冊数を作る必要もないが、とにかく製本がネックになる。DTPに関しては基本的に問題がない。


イタリアで見た作品のtxt(フラ・アンジェリコやフィリッポ・リッピetc.)から始まってフェルメール、スルバランあたりを並べ、あとは近代絵画のセザンヌマチスといった顔ぶれを並べるつもりなのだけど、別に歴史的な要所を押さえる、とかはまったくなくて、単に「自分で一度縦書きで読んでみたい」エントリを選択することになると思う。同時代の作家だと、ちょっと気がひける感じがするので、少々悩んで含めるかどうか決めようと思う(多分blogで勝手なことを言われるより、ペーパーメディアに落とされる事の方が抵抗が大きい気がする)。


作る本のイメージははっきりあって、とにかく小さくシンプルでハンディなものがいい。経済的な話でも手間の問題でもなく、僕はそういう本が好きなのだ。最もイメージに近いのはM.R.アレクサンダー著「塔の思想」なのだが、流石に活版+グラビアモノクロ図版というのはかっこ良すぎで素人に手が出ない。レーザープリンタが使える環境にあるので、出力に関しては味もそっけもないpsプリンタからの吐き出しになる。紙を多少遊ぶことはできるだろうか?


参考になるのはArt traceが出してる林道郎氏の「絵画は二度死ぬ、あるいは死なない」で、ハンディな魅力は、そのデザイン面も含めて際立っている。どのみちきちんと出版された本の造本にかなうわけが無い。自家製本でのクオリティはたかがしれている。どうせ荒い仕事しかできないのなら、ラフな作りをそのまま生かした方がいいのだろうか。以前短歌作家の加藤千恵氏が中心になって作っていた同人誌「ハッピーマウンテン」を購入したことがあったが、さすがにあそこまではっちゃけた造本はできない。


中とじ一発バン!で整形の断裁もしない、という豪快な作りならば、椹木野衣氏のインタビューが掲載されていた自費出版の本がオペラシティーgallery5で売られていたが、あれは中身が椹木野衣氏のインタビューだからああいう造本でもOKだったわけで、たがが僕の書いたblogの再構成本にしろ、仮にもマスターについてのtxtを載せるのにそれでは単に悲しいだけになってしまう。普通に考えられるのははてなダイアリーブックを利用することだが、流石に高いし自由度が低い。ちらりとネットで製本キットを見たのだが、やたらにマジなやつか、簡易フォトアルバムみたいなものに分かれていて、どうも適当なのがない。


以前、友人が作った写真集で、既存の紙に出力したデジカメ写真を売られている4穴ファイルに閉じたものがあって、あれはあれで素敵なものになっていたのだが、文章を読ませようと思うといまいち決まらない。なんといっても「本というモノにしたい」という欲望が大きいので、そうなるとこのファイル形式はイマイチだ。はがき大の紙に両面印刷して、簡単にまとめるならいくつかそれ用の商品が売られているようなのだが、どんなものだろう。やはりちゃんとお店に行って、サンプルを見てみないとなんとも言えない。たぶん年内に製本の方法を決めて正月に過去ログの洗い出しと選別、txtの加筆修正などをして、1月中に会場に置けるといいなぁ、なんて漠然と考えている。


※明日23日の17時から19時くらいまで那須の会場におります。