アトリアでの展示まで1週間を切った。普段の個展なんかと違うのが、自分とは異なった場所に「主催者」がいる、ということで、何が困ると言って出品点数や作品タイトルなどを事前に有る程度伝えることを求められる。なにしろ僕は当日の展示作業が終わらないと、いったいどの作品を出す事になるのかが本当には確定しないという、計画性のカケラもない人間なので、先方には本当に申し訳ない。とりあえず、ざっくりとした所を伝えて、変更があればその段階で(搬入が終わった時、ということだが)応対してもらうという、わがままな状況になっている。更に言えば、サブ会場としてアトリア近くのギャラリーに置く作品もあるのだけど、こちらはちょっと、普段考えるだけでなかなかやらないような展示物を置くつもりで、これまた状況次第でどうなるかわからない。


5日間の展示で、ついこの間まで半年かけた個展をやっていた身としてはイメージするのが少々難しいのだけど、一般的なギャラリーの展示も6日間がほとんどだし、考えてみれば特別に悪い条件でもない。梅雨に入ってしまったので天候は心配だが、今日みたいに綺麗に晴れる日もあるかもしれない。遅れに遅れていたDMもなんとか発送して、以前もお願いした業者さんに作品の搬送も発注した。今回の新作はどれも大きいので、配偶者の車にも載らないし友人に協力してもらう事もできない。あと、数点木枠に張らないで制作した作品(昨年の未発表のものとか)を改めて張る作業があり、これが残った仕事としては最大かもしれない。


僕のいつもの不思議な巡り合わせで、展示が近付くとなぜか他の用事が忙しくなる、というパターンが今回もあって、義理の祖母の葬儀の他にも、なんだかプライベートがえらいことになっている。さらに言えば、見たい展覧会が自分の展示に重なっていくつかあって、これまたどうしたものかと思案中だが、始まってしまえばなんとか時間を作ることはできる筈だ。しかしどうにもならなそうなのが明後日までの江戸東京博物館での「ロシア皇帝の至宝展」で、これには14世紀くらいのイコンがきていた筈なのだが、見のがすともう一生見れないだろうから、ちょっと悲しい。菊池伶司展のやっている町田の国際版画美術館も僕の展示と同じ24日までで、かなり厳しいだろう。エルメス藤森照信氏監修の展覧会はなんとか見て来たが、これはやはりオペラシティの展示を見ないと何も言えないだろう。そういえば先日見た芸大陳列館で上映されていたらしい「カメラになった男ー写真家 中平卓馬」が下北沢で上映されるそうで、これは展示が終わり次第見にいけそうだ。