・義理の祖父が亡くなって、しばらく経った。私は亡くなる直前に見舞った時、もう少しだけ猶予があると思いこんでいて、訃報を聞いたときは上手く飲み込めなかった。


・じんわりと死、というものの感触が、自分の中で感じ取れるような気配がある。こういう事も、一つの、祖父からの教育なのだろうか。


・そういう感触を持ちながら、自分の生後9ヶ月の子供を見ていると、とても奇妙な感覚に陥る。


・死は、けして、皆に、平等に訪れない。おそろしく個別に、1回きりの出来事として励起する。死を人々にとって共通のゴールのように見立てることはできない。


・「みんないつかは死ぬ」という言い方にはどこか詐称がある。


・正直に言えば、私は、今さらだけど、死ぬのが、怖くなったのだと思う。