世界の重さ、最初の手（高木秀典・坂光敏）展に関する連続ツイート
現在なびす画廊で開催中の高木秀典・坂光敏展についてツイートしたところ、まとまった量になったのでブログにまとめておきます。月曜には企画者の松浦寿夫氏、ゲストに林道郎氏を迎えたトークもあり、そこで聞いたお話もこのツイートには反映していると思います。会期は16日まで。
なびす画廊での「"世界の重さ、最初の手"高木秀典・坂光敏」を改めて。nabis-g.com/exhibition/201…
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）高木作品は綿布の張られた楕円キャンバスに描かれてる。菱形というか4つ突起のある星形が、少しづつズレて4つ重なって1ユニットをなし、それがまた少しずつ突起の傾きを変えながら（周辺に行く程ズレるように感じる）画面上に点々と配される。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）この作品は2点ある。4つ突起のある星形は黄色く塗られ、輪郭が銀色のものと、黒く塗られやはり輪郭が銀色のもの。あと3点旧作があって、これは「組立」でも見られたもの。このタイプ art-index.net/art_exhibition…
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）高木作品、僕は以前「視力検査みたい」と言ったことがあったけど、楕円キャンバスの作品にはそういう現象的な側面だけでない、絵画のもっとベタな関心も読み取れた。つまり、木材でパネルを作り綿布を張ることで現象的な現れだけに還元できない部分が出るように思う。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）高木作品を見ていて思い出したのがフィレンツェのあちこちにあるメディチ家の紋章で、ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95… 作品中の星形の由来が某アニメーション作品の「マーク」にあると聞いて、なんか繋がる気がした。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）楕円のキャンバスに一定の規則で配されるマーク。それだけならいわゆる記号性とか象徴性で言説化できるし、個々に微妙に異なる歪み方をしたマークがフラットな基底材に純視覚的に現れていれば僕が以前いったような現象的な理解でまとまる。しかし高木作品はその両方からはみ出している。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）自分の中でまとまっていないけど、高木作品の魅力はある特定的な効果に最適化していない所なのだと思う。そういう意味で、僕が今迄考えていたより遥かに不透明な所のある作家だと思うし、旧作も何度見ても飽きない。16日まで。nabis-g.com/exhibition/201…
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日なびす画廊での"世界の重さ、最初の手"、坂光敏作品について。正方形のパネルに光沢紙がぴったり張られている。そこに複数の太さや濃淡を持ったペン（4種類？）で記号的形態が反復的に描かれ、それが画面を埋めている。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）坂作品、1点のみ赤と青のペンが使われ、後はモノクロームとなるが、ペンの黒に若干の青みが感じられたりもする。5点あるが、2点は形態間が線でつながれ、複雑な網状、あるいは回路状を成す。また、1点は個々の形態が極端に小さく描かれ、余白がとても広い。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）坂作品、今回最も僕が良いと思ったのがこの余白を大きくとった作品。描かれていない箇所が素晴らしく機能していて、全体に顕微鏡的な世界を形成している。作家が定めた一定の規則の中で、描画に関しては書き直し一切無しの高い緊張感が、この余白を張りつめた充実感のあるものにしてる。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）坂作品には独特の「縛られる感覚」がある。それは作家の定めたルールだとか色彩に対する深い抑制、描き直しを許さない制作などから要請されるのだけど、もう一つ、これらが全てドローイング（線描）であるのも重要だと思う。いわば基底材を描線で梱包＝緊縛している。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）坂氏は別のグループ展で画廊の壁にライブペインティングをしその過程をUSTで中継、最後にその壁面・床面を消去する（原状復帰する）という行為をしてたけど、描くことの奔放性と徹底した否定という、両極からの強い引っ張り合いもまた、作品のテンションを支えていると思う。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）坂作品には正方形であること（作品に上下左右の区別がない）、ほぼ均一な線をメカニカルに引いている事等いろいろ考えるべきところがあるけど、一つ特長として非-絵画性があると思う。坂作品は絵画というより装飾的ダイアグラム性というべきものがある。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日（世界の重さ）坂作品にはキャンバス絵画というよりタトゥーの文様のような感触がある。それは装飾的ダイアグラムであり、身体的なコノテーション、筆跡のような物を完全に排しながら、逆説的に緊張し強ばった身体を感じさせる。表面はクールで有りつつ背後に熱をイメージさせる作品だと思う。
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日というわけで、興味深い二人展です。この二人を並べたセンスも凄いなと。松浦寿夫氏による推薦作家、2名ずつの展覧会"世界の重さ、最初の手"展、高木秀典・坂光敏展は16日（土）まで。なびす画廊。nabis-g.com/exhibition/201…
— 永瀬恭一さん (@nagasek) 2013年3月14日