ワタリウム美術館「Empty Garden2」

行ってきましたよ。
どうやら2001年911同時多発テロに呼応した企画のようですが、イマイチどこがどう「グランド・ゼロ」な展覧会なのかは、おつむの不自由な僕にはわかりませんでした。


見どころは2F展示室のシュタイナー&レンツリンガー二人によるインスタレーション「ホエール・バランス」です。木の葉や「つけ毛」、魚の骨etc.といった小物達が、かなりの量でモビールにされ、吹き抜けの高い天井から吊られています。空間を埋めるそのボリュームも圧巻ですが、更にそのモビールの直下に「マッサージ台」が置かれているので、そこに寝転がって見上げられるのが楽しいです。視界いっぱいに美しいモビールが展開し、まるで星空を見上げるような浮遊感が味わえます。


僕が行ったときはそれなりの観客がいたにもかかわらず、みんな遠慮して寝っころがっていませんでした。んが、こういうのは恥ずかしがらずにトライした者勝ちです。僕がバッとねっころがって鑑賞し、堪能した後、きっかけができたのか何人かが横になりはじめました。みんなバンバン転がりましょう。でも眠り込んじゃダメよ。あと、デートの人は靴脱いだ時の足の臭いに注意。ミニスカートは推奨。関係ないですが、尿素の結晶って、マジであんな色してるんですか。なんか有毒そうで怖いんですけど。

3Fは、きょとーん。
4Fのクー・ジュンガの作品は、会場いっぱいに170cmの高さのステージが設置され、その上にインスタレーションが置かれてます。要は、普通に立っていると作品が見えるかみえないかぎりぎりのところにあるわけで、そのギリギリ感がミソらしいです。ギリギリと書きましたが、ヤローのくせに身長158cm


ヤローのくせに身長158cm
ヤローのくせに身長158cm
ヤローのくせに身長158cm


の僕には、完全にアウトな作品でした。なんだよバカ野郎、チビには芸術鑑賞する権利もないんですか。そうですか。しくしく。えーい、ジャンプしてやれ!と会場で一人ぴょんぴょん飛び跳ねていたら、余計悲しくなってきました。隣じゃカップルの男性が女性に作品の解説してるし。なんだ貴様、何喰ったらそんなにニョキニョキ伸びるんだ。牛乳か?結局牛乳なのか?このマンハッタン摩天楼野郎!飛行機ハイジャックして突っ込んでやる!と人間の屑みたいなジェラシーを燃えたぎらせていたら、なんと「踏み台」が用意されていて、それに乗ったら普通に見れました。なんか情けなさが倍増しました。漏れる嗚咽。


屋外展示のフェデリコ・エレーロの作品は、ワタリウム美術館からけっこう離れた場所まで歩きます。作品はささやかなペインティングで、正直拍子抜けするでしょう。ま、この手の企画は大抵そうですが、普段歩かないような場所を歩き回ること自体が目的みたいなもんです。こんな外苑前のこじゃれた場所も、裏路地に入ればなかなか味わい深い所であることに気付きます。お寺の墓場の向かいにはマンション建設反対のノボリが林立していて、殺伐とした情緒が味わえるのも妙味です。デジカメ持って、気になった風景を写真にとりながら歩くと楽しいんじゃないでしょうか。ちなみに僕は3つある筈の、一番美術館に近い作品は発見できませんでした。なんでや。会期中、関連企画がたくさん。詳細は下記URLまで。


あんまり気負わず、「ホエール・バランス」+お散歩くらいの気分でどうですか。展覧会のコンセプトが理解できた方なら、現状の緊迫する世界情勢に思いを巡らすのも良し。すぐ近くにTOKI ART SPASCE(http://paper.cup.com/toki/)とGallery ART SPACEhttp://www2.odn.ne.jp/artspace/)の2つのギャラリーもあります。ワタリウム美術館のあるキラー通りは名建築の嵐。これもどうぞ(http://www.watarium.co.jp/exhibition/0209ilove6/killer.html)。根本的に1人で行った僕は負け組みだと思いました。彼氏なり彼女なり誘って行けよこのバカチンが。んじゃね。さよなら。