2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

先週新宿ニコンサロンで王子直紀展「牛島」を見ていた。モノクロの写真プリントがフレームに収められ、キャプションなしで展示されていた。写真中に1枚だけ「悪石島小学校」という表示のある門が写りこんでいたことから、この展覧会の会期中、皆既日食の観測…

吉祥寺A-thingsで「TRIO-A-STRIPE」。西原功織、保坂毅、秋本将人による3人展。西原氏の作品は表面のテクスチャーの質において、独自の成果を見せつつ在る。2008年に見た同じA-thingsでの長期個展では、その絵の具の扱い、例えば小さな画面に多くの線が走る…

Bunkamuraで「奇想の王国 だまし絵展」。序盤のスルバラン「聖顔布」は、率直に言ってこれは本当にスルバランなのかと首をかしげた(噂に聞くストックホルム国立美術館のものとは明らかに異質だろう)し、アンチンボルトは完成度があるのだけれど、板に描か…

メゾン・エルメスで名和晃平「L_B_S」展。ガラスの球に胞状に覆われた鹿の剥製が1体、ポリウレタン樹脂が飛沫状に様々な工業品や工芸品に吹き付けられ大きさ順に直列に展示されたものが1組、床に置かれたボックスに満たされたシリコンオイルに、下部からグリ…

東京建築士会の平成21年住宅建築賞入賞作品展を日本橋のDIC COLOR SQUAREまで見に行ったのは先週になる。今回入賞したIKMO(柴田晃宏+比護結子)による、築33年の木造住宅を構造だけを残し全面的にリノベーションした自宅+事務所「キチ001」は、2006年のオ…

那須・殻々工房での「野沢二郎 素描と油彩展ー花と心象ー」に行って来た。今回展示されていた作品のうち、油彩の多くは水戸のGalerie Cielで一度見ていたのだけれども(参考:id:eyck:20090615)、ほぼ自然光−ごくわずかに補助的な照明があるだけ−で見ること…

「組立」専用blogより転載。 ちょっと休眠していた「組立」ですが、大きなニュースが入ってきました。昨年の第一回「組立」の対話企画ゲストに来て頂いた磯崎憲一郎さんが「終の住処」で芥川賞を受賞されました。おめでとうございます。 詳しくは「組立」専…

ART TRACE GALLERYで境澤邦泰展を見て来た。キャンバスに油彩で描かれた絵画が展示されている。10号程度の作品から200号もあろうかと思える大型のものまである。画面の密度は様々で、基底材の地が大きく見えた、画面内にいくつかの筆のタッチが散乱したもの…

水の中を泳ぐ、そのことを思い出しながら考えていこうとするとき、私は多分、その「見た目」あるいは「光景」を記述してゆくわけではない。まとわりつく水の抵抗、冷たさぬるさ、質量、自分の荒い呼吸の音、激しい心音、苦しさ、爽快さ、緊張感と開放感、そ…

Gallery Koyanagiで鈴木理策「White」展。写真、というメディアが素朴に「現実」を写している、という前提はずいぶん前から崩れていて、それは別にプロフェクショナルなカメラマンや編集者などではない、ごく一般の人の間でもそうだと思えるのだけど(いまや…

A-thingsで上田和彦展。キャンバスにアクリル絵の具で描かれた絵画作品が中心で、紙に描かれたドローイングも3点ほどあった。基本的に複数のタッチあるいはストロークが画面内で様々な方向に引かれて構成されている。ストロークは絵の具が完全に乾燥しないう…

ピナ・バウシュ 死去

asahi.comより転載 http://www.asahi.com/obituaries/update/0630/TKY200906300343.html 【ベルリン=金井和之】ドイツの著名な振付家兼演出家のピナ・バウシュさんが6月30日、ドイツ西部ブッパタール市内の病院でがんのため死去した。68歳だった。バウ…