2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

京都で狩野永徳展を見た。とても良かった。僕は以前、永徳を「見事だけどどこかイラストレーションの匂いがある」と書いたことがあるが(参考:id:eyck:20070908)、この見方はひっくりかえった。相変わらず個人的には長谷川等伯は好きだし狩野松栄も言われ…

奈良では雨の興福寺などを訪れた。僕は原則的に仏像に興味が薄い。もし関心を持つとすればそれは彫刻としての側面だが、仏像というのは彫刻ではない。人形(ヒトガタ)をしているから彫刻「的」に見ることは可能なのだが、その人形は、「人体」を刻もうとし…

宇治の平等院鳳凰堂は、やはりというかなんというか、「美」でしかないものだと思う。「真」あるいは「善」というものが存在しない。これが法隆寺と同じ「寺院」にカテゴライズされる事がぼくには了解できないのだが、しかし、では建築としてどのようにジャ…

古代から中世にかけての寺院というのは、いわば当時の人々=各端末に宗教というOSをインストールするためのハードウエア/ソフトウエアみたいなものだったのだろう。法隆寺は、古代の土俗的なOSしかもちあわせていなかった日本人に、仏教という巨大かつ精密な…

ときどき自分が作品経験を絶対化するような立場に立っているかのように感じることがある(自意識過剰なのだろうか)。美術に対して何かを言うとき、対象を実際に見た事が/作った事がなければ語ってはいけないわけではもちろんない。そんな「縛り」があった…

京都・岡山・四国行きが迫って来た。秋口の京都の宿を取るというハードルをこなしたらすっかり気が弛んでしまい、ちっとも準備を進めないでいたらこんな直前になってしまった。以前ここで書いたのと予定が少しずれ、京都に先に行って岡山・琴平と回るルート…

引き続き四谷アートステュディウム「エクスペリメントショー」について。 ●菊池正+鶴崎いづみ+外島貴幸の、それぞれが異なったルールに基づいて文章を読み、相互の影響関係を計測/構築していく(みたいなことがパンフに書いてある)作品は、ルールが提示され…

10/7の日曜日には四谷アートステュディウムの「エクスペリメントショー」を見に行っていた。予定では出だしの北川裕二氏のパフォーマンス?を見た後抜け出して、平倉圭氏のプログラムが始まる頃に戻ってこようと思っていたのだが、なんだかずるずる見続けて…

コバヤシ画廊で野沢二郎展。キャンバスに油彩で描かれた絵画が3点展示されている。会場正面には最も大きな幅4メートルもの作品があり、正面向って左手には160cm四方程度のスクエアの作品が、右手には2m程の高さのある縦長の作品が配置されている。いずれも濃…

以前テレビのバラエティ番組(「ぷっすま」だ)で、出されたお題、例えば「キティちゃん」とか「ドラえもん」とか「ライオン」とか「象」とかを、タレント達が思い出しながら絵に描いてみる、というのがあった。そういった誰もが簡単にイメージを思い浮かべ…

オペラシティ・アートギャラリーで「メルティング・ポイント」展。どういったらいいのだろう。出品作はどれも適度な完成度をもち、同時に適度にラフで、個別に相応の問題意識は提示していて、難解なこともなければ、バカ丸出しなほど無警戒でもない。展覧会…