2013-01-01から1年間の記事一覧

組立-雑談 終わらない美術-教育

次回の「組立-転回」展を行う東京造形大学CSLABにて以下の臨時雑談イベントを企画しました。趣旨など以下の組立-転回のサイトをご覧ください。 終わらない美術-教育 四谷アート・ステュディウム閉校問題を切っ掛けに http://kumitate.org/ 会場・共催 東京造…

思考と呼ぶに足る展覧会・引込線2013

航空公園駅から30分くらい歩いた場所で行われていた「引込線2013」に行ってきた。良い展覧会だった。この「良い展覧会」という言い方にはいくつかの側面がある。一番大事なのは、そこに置かれていた作品によいものがあった、ということであり、例え個別の作…

「組立-転回」シンポ【今、ここにある美術批評(誌)】告知

上田和彦さんと進めている「組立-転回」では、展示と書籍発刊の準備対話企画として、以下のシンポジウムを開催します。 ■【今、ここにある美術批評(誌)】 星野 太(美学、表象文化論) 川人寧幸(ツバメ出版流通株式会社) 櫻井 拓(ART CRITIQUE編集) 松…

悲しい夢・「私をとりまく世界」展の奥村雄樹(井出賢嗣)

いない人物を作り上げる。いない人物を、社会の諸関係の中に位置づけ、名前をつけ、複数の、不特定の人物にその存在を感じさせる。それはそれとは反対のことも引き起こす(かもしれない)。不在の人物を存在させることで、実在の人物を仮想化してしまう。「…

ART TRACE GALLERY「 GROUP SHOW 2013」ツイートまとめ

ART TRACE GALLERYの「 GROUP SHOW 2013」に関するツイートをまとめてみました。これだけツイートするつもりもなく始めたのですが、このようなとりとめのない感覚の瞬きを誘発するような展覧会だったと思います。「違うだろう」と思われる人も多いと思います…

手遊びとその切断/<遊ぶ>シュルレアリスム展

損保ジャパン東郷青児美術館で<遊ぶ>シュルレアリスム展。見るものが沢山あって、解説が沢山書いてあって、だから展示を見るのにとても時間がかかる。ちょっと前後の繋がりがよく分からないことがあって(植田正治の写真とかが急においてあって、そりゃ砂…

「組立-転回」更新・「ルネサンスの問題・レオナルドとラファエロ」

上田和彦さんと続けている「組立-転回」の対話を行いました。「ルネサンスの問題・レオナルドとラファエロ」前編/後編をアップロード済です。 【組立-転回】対話・「ルネサンスの問題・レオナルドとラファエロ」 http://kumitate.org/ 今回来日したレオナル…

「組立-転回」更新・「大正モダンの問題・木村荘八展について」

上田和彦さんと続けている「組立-転回」の対談を更新しました。今回は「大正モダンの問題・木村荘八展について」となっています。 http://kumitate.org/ 大正時代、急激なポスト印象派の吸収を進めつつ岸田劉生と共に活動し、後に油絵の具で江戸の雰囲気を持…

代表的スタイルから離れた純度の燦めき/クラーク・コレクション

なびす画廊での「許された果実」展を二回目に見に行ったとき、出品されている杉浦大和さんがいらして、三菱一号館美術館の「奇跡のクラーク・コレクション―ルノワールとフランス絵画の傑作」展がとても良かった、と言っていて、その時の杉浦さんの表情が充実…

「組立-転回」対話を更新:古谷利裕さんを迎えベーコンについて再戦

上田和彦さんと進めている、組立-転回の「対話」のコーナーを更新しています。 http://kumitate.org/ 開催中のベーコン展について、古谷利裕さんをゲストにお迎えして再度対話を試みました。ベーコンに対し否定的な永瀬と、肯定的な上田さん古谷さんという組…

色彩と空間、あるいはイメージ:「許された果実」展

なびす画廊で杉浦大和、友枝憲太郎、松浦寿夫三人による「許された果実」展を見た。杉浦大和の作品は、筆で描かれた色面が互いに距離を持っていたり、あるいは所によって重なっていたりする。テレピン油やポピーオイルで溶いた薄い色彩もある。表面には筆の…

古谷利裕さんへ(ベーコンに関して)の応答。その2

20日の記事に対し、古谷利裕さんから応答頂きました。こちらも前回同様興味深いです。 http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20130422 まず、隙間・ブランクの論点に関してですが、古谷さんの15日の記事中、部分的にわからなかった点を僕からお尋ねして、…

古谷利裕さんへ(ベーコンに関して)の応答。

18日の記事に対して古谷利裕さんが応答してくださっています。とても面白いので、是非ご一読ください。 http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20130419 ここで示されている隙間、ブランクに関する古谷さんのお考えは刺激的です。元になった「組立-転回」の…

組立-転回を更新(フランシス・ベーコン展について)

組立-転回の「組立-対話」を更新しました。今回はフランシス・ベーコン展について。 http://kumitate.org/ ベーコンに肯定的な上田和彦さんと、否定的な永瀬による検討的な対話です。よく見られるベーコンについての絶賛或は沈黙・無視といった態度とは多少…

彫刻の経験・アーティストファイル展での利部志穂

国立新美術館のアーティストファイル展で利部志穂の作品を見た。面白くて、しばらく眺め、歩いていた。この作家の作品は2008年のなびす画廊の個展がもの凄く良くて(参考:id:eyck:20080731)、その後、しばらく間を置いた2011年の所沢ビエンナーレの作品は…

呼び、応える/「世界の重さ、最初の手」上田尚嗣、境澤邦泰展

呼応すること。呼び、応えること。それはけして積極的な行為としてだけあるのではない。呼ぶまいとすること、相手に自分を波及させまいとする行為が相手に「呼びかけてしまう」。そして、そのような呼びかけに対して、まるで呼びかけなど無いように振舞う、…

世界の重さ、最初の手(高木秀典・坂光敏)展に関する連続ツイート

現在なびす画廊で開催中の高木秀典・坂光敏展についてツイートしたところ、まとまった量になったのでブログにまとめておきます。月曜には企画者の松浦寿夫氏、ゲストに林道郎氏を迎えたトークもあり、そこで聞いたお話もこのツイートには反映していると思い…

追記

上田和彦さんが応答されています。 http://d.hatena.ne.jp/uedakazuhiko/20130301/p1

組立-転回を更新(追補:グレコにおけるポストモダンとキャラ)

上田和彦さんと進めている組立-転回の「対話」を更新しました。 http://kumitate.org/ 今回は東京都美術館で開催中の「エル・グレコ」展について話しています。前半が「超越と近代の螺旋階段(あと漫画)」、後半が「異なる場を来たらしめる通路」となってい…

ミックスジャムは見た24 参加中

下記の展覧会に参加しています。新作4点を展示中。 ■Mixjamは見た24 2013年2月11日(月)〜2月17日(日)(12日(火)は休館。) 9:00-17:00 (11日は12:00開場。入館は16:30まで。最終日は15:00まで) 古河街角美術館 アクセス:JR宇都宮線「古河」駅(JR…

田代一倫写真展「はまゆりの頃に 2012年 秋」

田代一倫写真展「はまゆりの頃に 2012年 秋」(photographers’gallery, KULA PHOTO GALLERY)で見ることのできた、路上や室内で、ひとりの人物がフレームのだいたい中心に、全身が入るように立っていたり座っていたりするプリントの十数枚、また多数のインク…

類似と非類似のインフレーション/「空似」展

子供がいて、その両親と、両親の友人達がいる光景を想定せよ。友人の一人が、子供の顔が母親に似ている、という時、その子供の顔には母親の顔が重ねられている。そこへ別の友人が「いや、目もとは父親に似ているかも」といえば、母が重ねられた子の顔の目も…

キャンバスと違う所にある絵画/有原友一展

拝啓 ○○さま こんにちは。お住まいの街はやはり寒いのでしょうか。今日、埼玉は雪になっています。この冬になって初めての積雪です。うちの五歳になる長男は昨日から雪になると断言し楽しみにしていたのですが、大人は意地悪にもどうせ雨にしかならないし、…

神奈川県立近代美術館・葉山館における桑山忠明展「HAYAMA」

美術館の5つの部屋にあわせて、各作品を設置している。受付で渡される作品表には、それぞれの展示室の大きさと制作年、作品素材、作品点数、所有者が記されている。またそこに示されている「お願い」を読むよう指示される。 「お願い」 ・作品にはお手を触れ…

追記

まったく関係がないけど、上田和彦さんとの「組立-転回」の対話を更新しています。 http://kumitate.org/ 今回は三菱一号美術館でのシャルダン展について。このシャルダン展は、とても良い展覧会でしたので、会期が迫ってますが是非。対話中でも語られていま…

アメリカの「自然」(セザンヌが消した):メトロポリタン美術館展

東京都美術館で年末に「メトロポリタン美術館」展を見てきた。僕が改めて認識したのが、「自然」こそアメリカにとって重要なアイディンティティだったのだな、ということだ。広大な大地、空、荒々しい気候、野生動物、森林、海洋、湖沼といったモチーフは「…