2012-01-01から1年間の記事一覧

組立-転回を始めました。

既に上田和彦さんがブログにエントリされていますが、上田さんと次回の「組立」を始めています。 ■組立-転回 http://kumitate.org/ 「組立」は2008年から始めた自主企画の展示で、あわせてフリーペーパーを作ったり本を作ったりしてきました。それを今回、少…

否という声、その発声の方法を練習する(もう一度)

先のエントリで、埼玉県立近代美術館で行われた「日本の70年代」展について、僕はこう書いている。 美術も漫画・商業デザインなども含めて、総じて既存の権威に対する「反」という意識、つまりメインあるいはサブカルチャー、という分別ではなく、ひっくるめ…

30年前を素材にする・日本の70年代 展

埼玉県立近代美術館で「日本の70年代」展が行われている。同館が設立されたのが1982年ということで、パリ5月革命など世界的な「政治の季節」であった1968年から美術館開館までの日本を、漫画や商業デザイン、そして部分的に美術も含め回顧するという内容だ…

映画「アトモスフィア」

映画「アトモスフィア」について。映画の結末についてのネタバレを冒頭にしていますので、未見の方はご注意ください(結末を知っているのと知らないのとでは途中の見え方が異なると思います。僕としては未見の方は読まないほうがいいんじゃないかと思います…

更に追記

上に追記した大山さんのツイートに対し、永瀬から再応答をさせていただきました。理解不足を謝した上で、なお主観的にはドローイングとブロック作品が優れて見え、キャンバス作品に比較的「摩擦」が十分でなく「調停」を感じた旨お伝えしたのですが、以下の…

追記

大山エンリコイサムさんからtwitter上にて以下の応答がありました。僕の理解の足りない点を指摘した上で御自身の意図を解説していらっしゃいます。ご一読ください。 さて永瀬恭一 @nagasek さんのブログを読みました。まずは丁寧な記述と分析力に感謝します…

「Physical Kinetics」における大山エンリコイサム

Takuro Someya Contemporary Artでの二人展「フィジカルの速度 / Physical Kinetics」で見た大山エンリコイサムの作品について。大山のメカニカルペンシルで描かれた、紙面を覆う均一で、しかし緻密な線の集積を見たとき、そこに看取されるのは、高い集中力…

中央関東という可能性・館林ジャンクション−中央関東の現代美術−

群馬県立館林美術館で「館林ジャンクション−中央関東の現代美術−」という展覧会があった。7月の1日まで行われていたのだけど、僕が見に行ったのは5月の初旬で、かなり時間がたってしまった。とはいえ印象的な作家や作品がいくつもあった。 利根川友理の作…

イメージ生成アルゴリズムのアイディンティティ・葛飾北斎展

いわき市立美術館で、野沢二郎展と併せて鑑賞した葛飾北斎の展覧会がとてもよかった。ホノルル美術館のコレクションということだが、素晴らしい水準であることに疑いない。日本初公開の柱絵「富士見西行図」が最初にあり、以下揃物、錦絵から北斎漫画までま…

フェルメールには飽きた(かしら)・マウリッツハイス美術館展

改装の終わった東京都美術館でマウリッツハイス美術館展。フェルメール「真珠の耳飾りの少女」は以前大阪で見ているのだが、奇妙なくらい記憶から欠落している。当時の記憶に残っているのは「地理学者」の繊細さや、「リュートを調弦する女」のどことなくマ…

絵の具の可能性のコア・いわき市立美術館 野沢二郎展

絵画は一瞬で評価されるという作家本人の言葉を乗り越えるように、いわき市立美術館で行われた野沢二郎展は見る者に十全な「受け止め」を求めているように見える。一般の展示室ではない、一階ロビーの階段側面に73×61cmの油彩画が9点、等間隔に架かっている…

『20世紀末・日本の美術 ―何が語られ、何が語られなかったのか?』

『20世紀末・日本の美術 ―何が語られ、何が語られなかったのか?』について 7月28日に、横浜美術館で開催中の奈良美智展関連トークイベント『20世紀末・日本の美術 ―何が語られ、何が語られなかったのか?』に参加してきました。このイベントは2月に行われた…

切る・折る・巻き込む(世界を)/益永梢子展 Symphony

Gallery face to faceは吉祥寺の、駅前から少し歩いた住宅街にあるのだけれども、やや高い基礎に沿った階段を上がりつつ、ガラスの扉の向こうの益永梢子の作品が見えた、その時にもう来て良かったと思った。押し開くように小さな会場に入って、オーナーの山…

確信的な謎・境澤邦泰展

境澤邦泰の絵画は、わからない。無論、それは境澤の絵画の「質」についての疑義ではない。むしろ圧倒的な「質の高さ」自体が大きな謎として立ち現れてくるのだと言っていい。境澤の絵画には不明瞭なところなどない。むしろ、絵を見るという行為に慣れてしま…

獰猛な絵画・はい島伸彦「In Melodies」展

なぜ動物なのだろう。はい島伸彦(はいは配に草冠)が3月に出版した絵本「きこえる?」の原画を展示しているMEGUMI OGITA GALLERYの会場で考えていたのはそんなことだ。はい島の絵画は、実作を肉眼で見なければ伝わらない何かが確実にある。印刷物になること…

セザンヌのシワ:国立新美術館「セザンヌ―パリとプロヴァンス」展

セザンヌの絵画には時としてシワがよる。無論実際にキャンバスがよじれているわけではないのだが、思わずそれを確認したくなる歪みが画面の上に現れる時がある。国立新美術館でおこなわれているセザンヌ展で、「池」(1877-79)を再見して(2010年に行われた…

水平な場の記憶と未来:武蔵野美術大学優秀作品展

武蔵野美術大学・大学院の卒業生による優秀作品展を見に行っていた。「組立」の会場に、大学院生の小野由美子さんが見に来てくれて、ハガキも別途郵送してくれたので、会期末だったけど見にいった。小野さんの作品はオーソドックスに描写的な庭の風景画なの…

都心の高密度コレクション・ブリヂストン美術館

ブリヂストン美術館で「あなたに見せたい絵があります。」という展覧会を見た。「組立」の会場となったHIGURE 17-15 cas の小澤さんにチケットを頂いていたのだけど、これが本当に充実した内容だった。もともとブリヂストン美術館は素晴らしいコレクションを…

半分だけ見え隠れする光景−及川聡子展「薄氷/水焔」

冬枯れた葦やがま(蒲)の立ち並ぶくさはらを、足下だけ見てあるいていたことがある。子供の頃だ。沼地わきの空き地だったろうか。休耕田のようなところだったろうか。視界を白く乾燥した草に覆われた地面だけが、自分の歩行に沿ってスライドしていく。流れ…

弱い弱さと強い弱さの境界−「行為の触覚 反復の思考」展−

2012年3月7日から12日まで、上野の森美術館で開催された「行為の触覚 反復の思考」展は、ある「弱さ」において特徴づけられる展覧会だった。この「弱さ」には積極性・消極性の両面が感じとれるけれども、美術館という場で作家が企画者となり展覧会を組織し…

またメールでも御注文承ります。

【「組立」−作品を登る−】とご明記ください。 住所・氏名・電話番号・商品名と数量をお書き添えの上、下記アドレスまで送信してください。 kumitatebook001@kumitate.org 到着後1週間以内に、同封の振込用紙で郵便局にて代金をお振込頂きます。 商品代金と…

書籍組立販売店情報

※ツバメ出版流通(株)さま取扱い店追加しました。(11月9日) A5/132ページ 税込み1470円(本体1400円) 高木秀典 【製作ノート】 有原友一 【「画面」の前で−作品を登る−】 佐藤雄一×松浦寿夫 【『「固有値(Eigenwerte)」としての支持体を自己生成する』…

今期「組立」について

今期「組立」は無事解体しました。ありがとうございました。

書籍「組立」−作品を登る−

*発刊日が確定しましたので再エントリします。 A5/132ページ 税込み1470円(本体1400円) ※発刊が、3月8日となりました。4日から8日までは、「組立」会場では、予約受付となります。送料無料。 高木秀典 【製作ノート】 有原友一 【「画面」の前で−作品…

組立・公開講義企画「授業」

定員に達しましたので、以降はキャンセル待ちしていただける方のみ受付ます。 「セザンヌ──具体的な抽象」講師:荒川 徹 (東京大学大学院/芸術論・風景論) 2012年3月17日(土)18:00 HIGURE 17-15 cas 地図:http://bit.ly/n6yDcW JR山手線/京成線/日…

書籍「組立」−作品を登る−

A5/132ページ 税込み1470円(本体1400円) ※発刊が、3月8日となりました。4日から8日までは、「組立」会場では、予約受付となります。送料無料。 高木秀典 【製作ノート】 有原友一 【「画面」の前で−作品を登る−】 佐藤雄一×松浦寿夫 【『「固有値(Eig…

3月4日より「組立」を実行します。

■「組立」有原友一×高木秀典×永瀬恭一 展 * 会期:2012年3月4日(日)〜18日(日) * 会場:HIGURE 17-15 cas * http://hgrnews.exblog.jp/ * 時間:12:00〜20:00(最終日は17:00まで) * 地図:http://bit.ly/n6yDcW * 専用web:「組立」http://kumitate.o…

『20世紀末・日本の美術ーそれぞれの作家の視点から』

既に終了してしまったのですが、中村ケンゴさんの企画『20世紀末・日本の美術ーそれぞれの作家の視点から』に参加させていただきました。 http://www.nakamurakengo.com/sympo/ 元美術手帖編集長の楠見清さんをコメンテーターに迎え、中村ケンゴさん、眞島竜…

ミックスジャムは見た23

古河三高OBによる展覧会です。僕はOBではありませんが、縁あって参加しています。 会場:古河街角美術館 http://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/m 会期:2月14日(火)〜19日(日) 時間 2月14日 12:00〜17:00 15日〜18日 09:00〜17:00 19日 09:00〜15:00…

以下の展覧会に参加します。