2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

金刀比羅宮の書院で見た応挙と若冲がとても良かった。私は以前、これらの作品の一部が展示された美術展を見て、岸岱を一番に上げ、応挙を次に評価し、若冲を「傑作ではない」と書いた(id:eyck:20070816)が、今回はまったく違う判断をした。金刀比羅宮書院…

鈴木了二氏の金刀比羅宮プロジェクトが、一切のクラフト、つまり様々な“出来事”を抹消してビジュアルだけを滑らかに仕上げるという映像的建築とまったく対極のものであることは、長い金刀比羅宮の階段を上りつめたものには説明の必要がないだろう。そこある…

高橋由一の油絵は「気持ちが悪い」。その気持ちの悪さは、主に高橋の油絵の具の質にある。多くの作品で高橋の油絵の具は生っぽいのだ。これは、よく絵の世界でいう「絵の具が生」というのとはちょっと違う。高橋の絵の具は、イメージになる直前で踏み止まっ…

自分の感情や感覚が、別段内面の深みとかとはまったく関係なく、システムによって構成されていると認識してみると、なんか可笑しい。それこそ一種の救いになる。先のエントリで、例えば後半の自分と父や長男に対する気持ちが、要するに先行モデル-現行モデル…

気持ちを整理するのが難しい。ここ2-3週間、私が立続けに見たのは「現実」で、それが生と死という対称として現れた。けど、この対称性は境界線がとてもあやふやだった(といことはそれは対称ではなかったのか)。「現実」は、もちろん、ただちに多数の、洗練…

12/6、義兄、急性白血病にて逝去。43歳。 信じられない。

大原美術館の近くには丹下健三の旧倉敷市庁舎(現倉敷市立美術館/1960年築)があって、これがけっこう興味深かった。少なくとも新東京都庁舎よりはずっと面白い建物ではないか。改装に地元の浦辺鎮太郎の手が入っているのだけど、その骨格は保たれていると思…