ART TRACE GALLERY「 GROUP SHOW 2013」ツイートまとめ
ART TRACE GALLERYの「 GROUP SHOW 2013」に関するツイートをまとめてみました。これだけツイートするつもりもなく始めたのですが、このようなとりとめのない感覚の瞬きを誘発するような展覧会だったと思います。「違うだろう」と思われる人も多いと思いますが、それを確かめる意味でも是非会場へ。最後にツイートしてるように、水準の高いグループ展であることだけは確かです。
art trace galleryの「GROUP SHOW 2013」充実していました。明日休みですが8月12日(月)まで。僕が最も興味深く見たのが戸塚伸也のタブローで、ドローイングを見ると漫画的キャラクターを崩して描いたような所にだけ眼が行くけど、油彩には奇妙な空間感覚がある。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
戸塚の油彩で気になるのが絵の具の厚さのコントラストで、ここでは明らかに平滑な塗りと厚みのあるテクスチャが同一画面中で調停なく並列してる。おそらくそこをこっそり調停しているのは色彩なのだろうけど、その色彩もまた西ヨーロッパ型の理性的な構成ではなく、東欧・ロシア的な不合理性がある。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
art traceの「GROUP SHOW 2013」そういった戸塚伸也の油彩の奇妙な屈折、農夫を描いたマレーヴィチみたいなオリエンタルな虹的色彩から漫画的キャラクターを描いたドローイングを見ると、その線の質がやはり漫画のような整理されたものに収まらない過剰さがあることに気づく。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
けして十分に戸塚伸也の作品を見たわけではないので即断できないが、この作家の「絵画空間」はあまり他で見ることの出来ない質を維持しているように思われる。本人のサイトの画像を見てもその独自性がわかる。http://t.co/oKWAw9vp5m
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
戸塚の不透明かつ独自の体系を感じさせる作品の対極にあるような清明な場所から、反対方向にある不透明化を目指しているのが有原友一の油彩作品だと思える。前回のグループ展での挑戦的な大作は少々破綻していたように感じたが、今回の小-中サイズの作品は、その試みが一定の成果となって見えた。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
有原の作品は平筆のタッチが明快な色彩の振動を生むような構成から、わずかにタッチを混濁させ、作品のふくらみを作り出そうとしているように見える。斜めに交差するようなタッチの格子が、完全に乾燥する前に次の手が加えられることで輻輳を起こし、画面空間が「ぶれて」いるような感覚を形成する。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
有原のこの「ブレ」は、しかし実に明晰かつ知的に構成された場所から開始されていることは、その基礎構造を見れば了解できる。いわば徹底してクリアな思考が、徐々に複雑化を増して「襞」的バロック性を獲得しようとするプロセスにあるように感じる。http://t.co/iXOJuSuqJG
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
小針克弥の画面も色彩とマチエールと構成の中から、ある空間感覚の「ふくらみ」を感受できるという意味では知的な物だった。最も完成度の高い作品は小室にある、斜めの多数の交差線が産み出すひし形の連なりが織り出した色面による絵画空間の形成だろう。http://t.co/iXOJuSuqJG
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
しかし小針克弥の作品で最も印象的なのは、そのひし形の連なりの作品と壁を隔てて背中合わせのような位置にある、奇妙なグラデーションをもった作品で、この画面は若干の「ゆるさ」を持ちながら、むしろそのことでこの作家の感覚の生な感じを定着できている気がする。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
坂光敏の作品は緊張感に満ちたドローイングの集成が、方向を持たないスクエアのフォーマットの中に厳しく浮かんでいる。このような浮かび上がり、画面のすこし上に個々の(マカロニみたいな)形態が浮き出ている感覚は、画面が正方形であるからこそ成立している。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
坂は画廊の壁面に、まるでフレームなどないような放埓なライブドローイングのをUSTで中継したりする(これもフレームの逸脱だ)が、そのような行為は今回の出品作のようなシビアなフレーム意識と表裏一体なのであって、拘束と侵犯の論理はこの作家で一貫しているのかもしれない。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
それぞれにある過剰さ、あるいは「踏み出す」指向を見せているように見える今回のART TRACE GALLERYのグループショーで一人徹底して内省的で「超地味」な試みをしているのが青山大輔で、ある意味ここまで視覚インパクトみたいなところから距離を持っているのは驚異的かもしれない。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
青山大輔の試みはまったく「観客」に向けられていないようにも見える。その「観客」には青山自身が含まれるかもしれない。ある図形を成す「線」を、様々な描法で書いてみる。無論図形のフレームに対する形や図形相互の関係も考えれらているが、言ってみれば「それだけ」の作品だ。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
青山の作品には誰かの目を悦ばすという要素が最初からない。あるいはそのようなエフェクトのようなものを排除したところにだけ成立する「悦び」だけに青山の絵画は賭けられている。恐ろしく個人的な試みの記録と言ってもいいし、絵画というよりはある種の記譜のようにも見える。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
いずれにせよ、今行われているART TRACE GALLERYのグループショーは、全体に水準が高く粒が揃っている。もっとも、その粒の揃い方に留保をおきたくなる人もいるだろう。そういう人には今回僕が言及しなかった佐藤岐夜美と鈴木雅子の作品がフレームアップして見えるかもしれない。
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013
途中、あまりURLを入れなかったので宣伝として機能してませんが、ART TRACE GALLERYのGROUP SHOW 2013、明日がお休みで明後日から8月12日(月)まで、12:00 ~ 19:00だそうです。興味ある人は是非。http://t.co/iXOJuSuqJG
— 永瀬恭一 (@nagasek) August 6, 2013