マンハッタン・ラブストーリー#6

前回の「マンハッタン・ラブストーリー」をビデオでみる。ん。なんか無理があるなぁ。もちろん今までだってめちゃくちゃなところはあったんだけど、それは全部「狙って」やってたところだったと思う。
けど、今回の無理は、設定上/物語り上解決できなかった不自然さを、若干安易に逃げる形で強引に処理していたと思う。

Fの回=酒井若菜船越英一郎にふられる回があっというまに終わり、エンディングが劇中で早回しで流れて、改めてGの回が始まる、というのは「アルファベット順」にこだわった結果生じた不合理のつじつま併せだし、忍くん(塚本高史)が実は女の子だったというのを最後にばらすシーンも、流石に強引(急に女の子キャラになったり)な気が。

ま、想定はされていた面倒臭い矛盾を、この回で意図的に解消しましょう、ということだったんですかね。んーもう少し工夫が欲しかったなー。
マンハッタン・ラブストーリー」の「遊び」は、義務からの逃げに使ったとたんに、単なる陳腐な「お遊び」になる。スタッフ・キャストが「やりたいことを実現するためにやる」攻めの遊びでなければ、面白くない。今回は、遊びで逃げをうつシーンがあって残念。

一番許せないのは、三角関係を維持するために、及川光博(ベッシー)に王子様にあるまじき暴言(好きなのは千倉真紀=森下愛子だけど、甘えられる赤羽伸子=小泉今日子も諦めきれない)を吐かせたことと、そんなベッシーに、赤羽伸子=小泉今日子が愛想をつかすことを回避するために、赤羽伸子=小泉今日子の過去の傷を語らせたことだ。なんだなんだ、ただの陳腐なトラウマドラマにでもするつもりか宮藤官九郎野島伸司と呼ぶぞ。
マンハッタン・ラブストーリー」の登場人物は、基本的に欠落を基点に行動してはいけない。過剰を基点に行動しなければいけない、はずだ。

このままつまんなくなったら、僕は泣きます。