大徳寺聚光院の襖絵

もう先週の金曜日の話しですが、国立博物館狩野永徳大徳寺聚光院襖絵を見てきました(http://www.nhk-p.co.jp/jukoin/

いや、もうぜんぜん日本の近代以前の美術って知らないので、今回は目からぽろぽろウロコが落ちました。そうかーあのカッチリ(退屈)な狩野派の絵は、江戸期以後のものなのね。桃山時代の永徳は、めっちゃダイナミック。
ようするに、この狩野永徳の聚光院襖絵はバロックっぽいというか、演出がハデなのだ。近景の大木をどーんと極端に大きく(近く)描き、それ以外のところはスカッと抜く。墨のコントラストもめちゃくちゃ強く出す。墨絵というのは、淡く解いた墨でアジア特有の水気の多い大気をぼかしぼかし描くものだったらしいけど、狩野永徳はまるで溶かない、真っ黒な墨をバーンと使う。で、溶くところは溶く。めちゃくちゃグラフィカル。デザイン的。このあいだ京都・智積院でみてきた長谷川等伯の楓図は、これに影響受けてますね。

かっこいい。かっこいいが、好きかどうかでいったら、そこまで派手じゃない永徳の父親の狩野松栄の方が好きです。なんでかというに、狩野永徳の絵は、見事だし感心するけど(なにしろ24才の作品)若干見せ物になりすぎてる気がしするんだな。ううむ。