スウィングガールズ

公開してたんですね。見て無いですが。やっぱ多少は「ウォーターボーイズみたいなの作って!」といわれてしまった大人の事情があったんだろうなぁ。ま、結果面白ければいいんです。見たいですね。


矢口監督の過去作品では、興味ある方は「ひみつの花園」はビデオで探して見てみて下さい。僕は劇場で見たんですが、めっちゃ笑えます。個人的には「ウォーターボーイズ」よりもお薦めです。矢口監督らしい「女の子いじめ」が一般性を伴った形で昇華されてて、楽しいです。


僕にとっては矢口監督というのは「女の子いじめ」の監督なんで、あまり評判のよくない「裸足のピクニック」も、お薦めはしないけど好きです(アドレナリン・ドライブは見てない)。この人の学生時代の怪作「雨女」(PFF受賞)は、いまだに僕にとって矢口史靖のベスト・フィルムなんですが、これの「女の子いじめ」が一番ヒドイ。素晴らしい。あと、この監督は「恋愛」にぜーんぜん興味がないのが特長で、これは雨女からウォーターボーイズまで一貫してる気がします(アドレナリンは違うのかな?)。こういうところも好きです。


何度でも自慢しますが、僕は矢口監督がPFF受賞した当時、「雨女」の学内記念上映会のイベント(?)企画を手伝ったことがあります。僕がやったのは「雨女」と書いたノボリを学校敷地内の小道に20本くらい列ねるというもので、他には女装縁日とかやって遊んでました。
「雨女」では、槙井さんという個人的に知ってる先輩が主演されていて、その槙井さんが最後、雨の夜(バックに高尾で有名な某宗教団体の金色の塔が怪しく光ってる)の路地で車に激しく跳ねられ、頭からゴミ収集場のゴミ袋に突っ込んで死ぬシーンは、胸に刻まれました。


僕の知ってる学生時代の矢口監督というのは、ひょうひょうとして乾いた印象の人で、しかもどこかに厳しいソリッドな感触のある方でした。雨女で、壁に張られた無数のメモや写真などが自動的にどんどんめくれてゆくシーンがあるんですが「あれどうやって撮ったんですか?」と聞いたら「秘密も映画の魅力の一部だから」と微笑して教えてくれませんでした。明らかに周りのただの学生とは意識が違うと思った記憶があります。映画で食べて行くことを考えてる、みたいな事も言っていて、それこそただの学生だった僕は「また夢のような事を本気で言う人だな」と思ったものです。とある人と廃屋見たいなところで共同生活してて、そこにはわけわかんないモノが置いてありました。


さっくりと残酷なギャグの切れ味とかが、映画とご本人の共通の魅力であることは、多分今も変わらないんじゃないかなと思います。あ、最近は残酷さが薄れてきてるな画面から。これも意識的なんだろうな。