中古マンションのリノベーション・簡単レポ

オープンハウスに行ってきました。物件はこいつだ!http://www5b.biglobe.ne.jp/~ikmo/Arch/312/312.htm
ドしろうとなので、簡単レポ。
西東京郊外、駅から歩いて10数分?くらいの場所にある大型集合住宅。ほんとに大きい。築25年の建物で、当時は最先端だったんだろうなぁ、というかんじ。周辺は住宅地で、旧街道が走るわきには史跡があったり、将棋クラブがあったり(しかも盛況)、古い蔵を再利用したお店があったりと、良い風情です。


結婚1年目の若い夫婦はリノベーションを前提にこの部屋を購入。いくつか見た中で最初に来たここがピンと来たそうです。物件の選択は、この市内で駅まで歩ける場所、という基準で不動産屋さんで斡旋してもらったそう。建築家IKMOに発注したのは、奥様がIKMOの同級生ということで。なるほどね。


元3LDKがどかーんとワンルームに。玄関を入ると「渋滞」を防ぐために拡張された土間(コンクリ)の先に褐色に塗装された棚が。その奥にも同じ規格の棚が並んでる。図書館みたい。建物を貫くその単一の空間は、なんだか現代的でシックな洞くつ住居みたいです。風がデッキ全面に開いた窓から玄関へまっすぐ抜けていくのが見えるような感じ。きもちいいですね。


子供もいないので、住まい方未定。ということで将来のフレシキビリティを考えて部屋のしきりがこの可動式家具。全部同じ素材で同じ規格の棚。手前から、玄関(下駄箱)、クローゼット、寝室、と空間を切り分けています。この棚は壁面の上にある「梁」のでっぱりまでの高さに合わせているから、必要なら壁づたいに並べてしまえばほんとにワンル−ムになる。考えてあるなぁ。


御挨拶して室内に上がると、床は棚と同じ塗装(材の種類は違う)のフローリング。天井には蛍光灯がなくて、レールにギャラリーみたいなスポット光源が。奥様いわく「間接照明が好き」とのことで、足りない明かりは床に転がす予定だそうです。電源は壁面にもあるし、床にも丸いステンレスの電源スポットがあって、回すとぽこっと飛出でくるのが埋込まれてる。フローリングとピッタリ水平で、でっぱりもへっこみもない。


こういうのは大手のだとなくて、某メーカーのものを探したそうな。施工で逃げがきかないから、業者さんは大変だったそうです。IKMOは逃げらんない施工が多いなぁ。ピッタリ・すっきりはかっこいいもんね。ガス栓も床面にあっちこっちあるんだけど、そのフタもフローリングと同じ材。布で把手がついてて、面白い。床暖房の代わりに、ガスファンヒーターをあちこち移動させながら使うんだそう。頭いいなぁ。安いし。


壁面はクロスの貼ってあったボードをとっぱらってコンクリをむき出しに。そこに施主さんとIKMOで白く塗装。コンクリ打ったときの型枠用の穴がポコポコ開いてて面白い。表情があって、冷たく無い。天井も同様にコンクリに白。もちろん前にあった天井板は抜いてます。換気扇のダクトも見えます。


キッチンは業務用のものをそのまま。囲いも塗装も無いステンレスが美しい!本当にかっこいいんですが、システムキッチンより安いんだって。下手な化粧されてるシステムキッチンより、だんぜんいいよなぁ。浄水器はちょっといいやつを付けたそうです。このポンプもむき出しで、それがかっこいい。


全体に無駄のない、シンプルな作りなのに、豊かな暖かさを感じる空間でした。木材とコンクリに、設計者と施主さんが自分達で塗装したニュアンスが出てるんでしょうか。でも棚の塗装なんて「これは業者さんに頼んだんですか?」と聞いてしまうくらいの仕上がりだったのになぁ。リノベーション費用はン百万円。マンションの購入費用と合わせても、素性のしれない建て売り住宅買うより数段魅力的な選択だと思いました。


建築家IKMOに「相談」するのは、もちろん無料。賃貸脱出を考えている人はメールだしてみてはどうですか。http://www5b.biglobe.ne.jp/~ikmo/