雑記

DMはがきに印刷した作品を、個展に出さないかもしれない。この作品は、なんとなく逡巡がなく、するりと出来たもので、その「あっさり決まった」感のためか、展示することに即決してしまっていたのだ。DMを作る時に個展に出すと決めていたのはこの絵と、あとはモノクロの作品で、やっぱりインビテーションとしては色があった方がいいだろうということで、めでたく「看板作品」に当選したわけだけど、ここに来て、この作品の後に描いたヤツの方が比較的しっかりしてる気がしてきたので「看板作品」どころか「二軍落ち」の危険が出てきた。


しかし、DMはすでに一部を除いて発送済みだし、作り直す余裕などあるわけない。DMを受取った人や目にした人は「これが会場にあるんだな」と思うのが普通なので、出さないとなると、ちょっとマズイかな、とも思う。万一このDMを気に入ってくれて来場してくださった方がいたら、やはりいくぶんかは残念に思われるかもしれないし、そうは感じなくても軽く肩すかしを味わせてしまうかもしれない。


同時に、個展をやる以上は、やはり自分の納得のいく作品を展示するのがスジ?だとも思う。妙なエクスキューズを残して個展をする事ほど後味の悪いことはないし、いかんせんこじんまりとした会場なので、今の段階でも規定の壁面数は埋まった上に、それ以外にもう1点「工夫」をして展示しようとしているくらいで、空間に余裕はあんまりない。今から手を入れようにも、今回は油絵の具を使っているから、安定した状態にするには完成後一定の日数は必要なので、ほぼタイムアップになっている。乾燥を速める手段もあるけど、そんなばたばたした制作で良い状態になるともおもえない。


DM作品に近い色調と方向性のものは1つ確実に出す予定ではあるので、これでよしとするかもしれない。そもそも僕の会場セッティングなどは常に現場仕事なので、逆にその現場で最後にDMの作品が復活当選する可能性だってなくはない。結局、始まってみなければワカラナイので、ここで「あの作品は出しません」宣言をすることすらできない。


こんな、恐らく当人以外は実際には「どっちでもいいよそんなの」というような事を延々と思い悩んでしまうのが、個展開始1週間前という時期の、なんともフワフワした気持ちのありようなのでした。