2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

国立西洋美術館での「イタリア・ルネサンスの版画」展に行った。レオナルドの展示のついでだ。保存状態を含めた作品の品質にずいぶんとバラツキがあるが、美術展というよりは「ルネサンス美術を広めたニュー・メディア」というキャッチコピーからもよみとれ…

東京国立博物館で行われているレオナルドの「受胎告知」の展覧会に行ってきた。僕はこの絵について昨年ウフィッツィで見た時、「最初から完成させることだけが目的だったとしか思えない」と書いた(参考:id:eyck:20060308)。はっきり言ってしまえば、あま…

現在、日本の美術で「穴」になっているものがあって、それはアメリカに対する正面切った思考だと思う。正確に言えば、アメリカへの視線がナショナルな日本主義に折り返されてしまい(つまり表面上はアメリカが希薄になっており)、それがそのままマーケット…

川口メディアセブンでソクーロフ「エルミタージュ幻想」を見た。ここは市営のDVD上映設備を持つ施設で、立派なプロジェクターとスクリーンが置いてあったのにも驚いたのだけど、席がほぼ満席になってたのにも驚いた。フィルムで見られればもちろんそのほうが…

東京ミッドタウンに行って来た。目的はサントリー美術館の「日本を祝う」展で、ほとんどこの美術館所蔵の「泰西王侯馬騎馬図屏風」を見に行ったようなものだったのだけど、展示されていなかったのでがっかりした。橋本治の「ひらがな日本美術史」でこの絵を…

ワタリウム美術館でブルーノ・タウト展を見て来た。展示されていたのはタウト建築の写真と模型、それに多数の手紙と日本滞在時の工芸デザインの仕事、他にはスケッチやタウトの撮影した(下手な)写真などだ。いつも思うのだけど、「建築(家)の展覧会」と…

絵の形式と内容というのはそう簡単に分別できない。それを分けているのは概念、というより言葉なのであって、絵そのものを「形式」とか「内容」とかに分けてしまうことはできない。ちょっと考えてみれば当たり前のことで、例えば僕と言う人間を「人体」とか…

絵画にとって手の労働というのは中核的なものとしてある。労働を忌避するいかなる思考も絵画を回避する。そこに思考の軌跡が現れる。労働は、いかなる知的クリシェや教養主義も受付けないし、ただ単に「知的」ではない知性そのもの、「主義」ではない教養(…

個展関連の告知です。 4/29・30と、5/4〜5/6のギャラリータイム(14:00-17:00)ですが、永瀬は4/29と、5/5、5/6の三日間は現地におります。どの日も14:00〜19:00くらいまで、現場で座ってます。この会場は、夜間はかなり照明の影響が大きいので、作品に…