2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

利部志穂、という人のことは、実は少し前に知っていた筈なのだ。6月にやっていた古谷利裕氏との「組立」展の最中に、古谷さんが何かの拍子に「もうすぐあるトベ?っていう人の展示が面白い…」と言っていた覚えがある。古谷さんはこの人の名前の呼び方に自信…

藍画廊で見た鈴木敦子という人の作品には、なにか特別な感触がある。この感触、というのは見た目の美しさ、というのとは少し違うし、批評的に面白い、というのでもない。なにか、自分の全身の神経を、ゆっくりと心地のよい信号が伝わってゆくような、そんな…

立原道造の設計した小屋「ヒアシンスハウス」が浦和の別所沼にあり、週末に見に行った。これがとても気持ちの良い空間で、びっくりした。詩人としての名前しか私は知らなかったのだけど、東京帝国大学建築学科で丹下の上級でもあり、学内で賞も受けるような…

両国でART TRACE GALLERY GROUP EXHIBITIONの第1期を見た。有原友一氏の作品を見て思ったのは、絵画が、あるいは作品が「良くなっていく」というのは、こういうことなのだなぁ、ということだ。有原氏の作品は2005年にやはり同じART TRACEでみている。その時…

A-thingsにて近藤学氏によるレクチャー「プロセスの系譜学―デ・クーニングから出発して」を聴講した。デ・クーニングが制作途中の自作のパーツをトレーシングペーパーに写し取り保存しておいて、それを他の作品の途中で挿入して(転写して)加筆し制作してい…

・最近は暑くなって出ていないが、先月上旬までとかはよく子供と散歩をしていた。私の家の近所にはあまり大きくない(つまりそんなに堤防とかが整備されていない)川があって、その河原を長男を載せたベビーカーを押していく。そうすると、彼が生まれる前に…

先週、南天子画廊で中村一美展を見た。150号から200号の木枠に綿布が張り込んであり、そこにステイング(染み込み)と極端な絵の具の盛り上げによるストロークが配置される。別室には小型の作品がある。絵の具は全てアクリル樹脂となっている。縦構図で占め…

上田和彦氏「アートと資本主義」再録に関して

「組立」専用blogで、昨日より上田和彦氏の「アートと資本主義」のweb再録を開始しました。 http://d.hatena.ne.jp/nagase001/20080707 上田氏による「はしがき」にもあるとおり、原文は『PUNCTUM TIMES』に4回に渡って連載されていたもので、今回はそれをbl…

hino galleryで小林良一展を見た。100号(160cm×130cm)くらいから130号くらいのキャンバスに油彩で描かれている(別室には小型の作品もある)。ほぼ全てが縦構図であり、側面にはタックスが打たれている。絵の具の塗りはマットで、あからさまなマチエールや…

・本当に美しい夏日。こんなにきれいな午後は、1年に何度あるだろう。 ・気付ば展示が終了してからもう4日以上過ぎてしまった。いつも思うが、展覧会というのはあっけないものだと思う。「組立」は小さな試みだったけれど、あの横浜トリエンナーレだって3ヶ…