2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

金刀比羅宮の展覧会について書いたあと、メールでご示唆を頂くことがあって、ちょっとまとめて日本の古典美術が見たいなと思っている。応挙や芦雪を見ようと思うと、首都圏なら東京国立博物館になってしまう。東博には重要な美術品が盛り沢山あって本館に常…

終わってしまった展覧会だが、Bunkamuraでルドン展を見た。かなりの点数があり、見るのに相応に時間がかかった。1点のこらず集中して見る事ができたわけではないが(会期末だからか混雑していた)、全体に感じられたのはルドンは(ことにリトグラフにおいて…

国立西洋美術館で「パルマ」展を見て来た。僕は趣味的にコレッジョの描くマリア像を愛好していて、それが目当てだった。通俗的な意味で可愛いマリア像を描く画家で、たぶん良い勝負をするのはムリーリョの「無原罪の御宿り」シリーズくらいなものだろう。僕…

作品を、あるいは展覧会を見る力というのは実際のところ、作品を見る前にかなりの程度試されてしまう。すなわち「何を、いつ見るか」という選択にこそ「見る」ことのフレームがかけられている。「何を」という点では、人はけして全てを見ることができるわけ…

東京藝術大学美術館で「金刀比羅宮書院の美」展。これは充実した展覧会で、同館で開かれている広重展と併せて見ごたえがある。展示は金刀比羅宮の書院の間取りに基づき襖絵を再配置するもので、出品できないものは高精度な複製を置き、やりすぎない程度に、…

そういえばヘンリー・ダーガーの展覧会を見ていた。原美術館での展示はとっくに終わっているが、この人の日本での語られ方、受容(消費)のされかたには違和感がある。簡単にこのエントリのオチを言えば、ダーガーは美術的な判断の上で「病人」とされたとい…

昨日コバヤシ画廊で林佳慧展を見たが、少し印象的だった。大形のキャンバスに描かれた油彩画が3点あって、いずれも横構図にブルー+グレーのトーンのバリエーションの絵の具がたっぷりと引かれ、そこにやや濃いトーンのストロークでコイルのような渦巻きが伸…

サントリー美術館で「水と生きる」展を見て来た。前期・中期・後期と分かれていた展示期間の後期にあたる。この美術館が水曜日〜土曜日は夜8時までやっているのはいいな、と思う。都市型美術館というのは本来こうあるべきで、他の都内の美術施設もぜひそうな…

四谷アート・ステュディウムで平倉圭氏の講座「脱-知覚的不確実性/映画と「顔面」の現在」。平倉氏はやはりライブ向きの人だと思う。そこで行われるのはある程度「説得」という行為で、もちろん「説得」というのは文書で行われるより対面で行われた方が効果…

テレビ放映されたアニメーション版「時をかける少女」は面白かった。この映画は、いわば「時をかける少女」という作品の生産と消費の在り方そのものを写し出している。すなわち、「時をかける少女」の、何度も時間を反復しその内容を修正しつつ「真の時間」…

コバヤシ画廊で庄子和宏展。3点の大形の油絵とバックヤードに小品がある。3点のタブローのうち、会場に入って向って右の壁面にあるものは、極端な横長のフレームに画布が張られている。2つの直方体が奥行きのイリュージョンのある地面に載っている状態を描写…