2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

美術の条件

美術作品の、最初の条件とは、作品において、作家の特権的な立場が消え去っているということです。逆に言えば、作品から遡行されたものだけが「作家」なのだということです。一般的な意味では、作家はたんに観客の一人でしかなく、作品にメッセージを付与す…

「美術」の優位・東京都現代美術館 完全レビュ−(1)

「完全レビュ−」なんてバカはもうやらんぞ、と思ったんですが…普通のレビューの書き方忘れてしまいました。MOTアニュアルは会期も終わってしまい、すっかりタイミングを逃してしまいましたが、書いちゃったので、載せます。MOTアニュアルに関しては、まず何…

子供っぽくない

ポストペット開発者で、今はナウシカのメーヴェ?を飛ばそうとしている八谷和彦氏が応答してくれています(id:hachiya:20040329)。僕の「六本木クロッシング全作品コメント」中の八谷氏の作品へのコメント(id:eyck:20040320)には大筋で「異論はない」との…

濃い?

荒野だったこのページが、最近リファーなんかされるようになって、すっかりビビリなんですが、ここ数日での個人的なヒットはここです。メディア・アーティストの江渡浩一郎氏のページ。 http://eto.com/d/#2 しかしさ、なんで造形の人って、こんなに濃いのよ?…

個展会場のパノラマ写真up

友人が1月と3月にやった僕の作品の展示をきれいに写真にとってくれたので、ホームページにアップしました。 http://www.tcat.ne.jp/~kyouichi/page/ex.html 上の写真は先日の個展の様子です。建築家のアトリエの1Fがオープンスペースとなっているという、面…

「無表情」の可能性

終わってしまった展覧会なんですが、アートスペース羅針盤で27日まで開かれていた「異色の写真家たち展」の河原隼平氏の作品が、とてもよかったです。無菌的なまでに清潔な印象を与える明るい場所(晴天の芝生、クリーンな部屋etc)に、女性の素足が写ってい…

「六本木クロッシング」とは何か(3)

今度こそ最終回です。もう「六本木クロッシング」には付き合わないぞ。 ●「面白さ」による味方獲得ゲームの疲労 「面白い美術」の浸透を、ここでは「美術の水平化」と呼びたいと思います。先日の文章ではネガティブに書いてしまいましたが、もう少しポジティ…

六本木ヒルズの痛ましい事故は、森美術館での展覧会や作品の受容にも、影響を与えるかもしれませんね。

六本木ヒルズ回転扉で事故 

男児死亡 速報 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040326i107.htm 以下、上記URL中の記事から引用 26日午前11時30分ごろ、東京都港区六本木6、「六本木ヒルズ」の森タワー2階正面出入り口で、大阪府吹田市山田西3、会社員溝川光一さん(3…

「六本木クロッシング」とは何か(2)

●面白さという強迫(脅迫) 昨日予告のサブタイトルは長いしくどいので、シンプルに。 「六本木クロッシング」の会場で、子供、幼さといった要素の他に目立ったもう一つのものは「面白さ」というものです。「笑い」「ユーモア」ということの他、「観客参加型…

「六本木クロッシング」とは何か(1)

さて、10日ばかりかけて「森美術館完全?レビュー」を書いてきました。最初に書いた「女性トイレの作品」はどこへ行ったんだ?とか(本当にどこいったんだろう。あれは幻?)、改めてカタログを読み直すと、単純な事実誤認があるとか、いろんな不備はあるの…

あらら。なんか撤退されちゃったな。昨日の記事に関して、再度こちらで(http://cgi.din.or.jp/~hajimebs/cgi-bin/bsbbs/)リアクションがありました。うーむ、もうすこし、作品レベルでの反論を期待していたのですが(東京ピクニッククラブでは、ワークショ…

3/21の、東京ピクニッククラブについての記事(id:eyck:20040321)について、東京ピクニッククラブの協力者?の方が言及しています。「■ 「ピクニジェンヌ」ってあなた。」http://cgi.din.or.jp/~hajimebs/cgi-bin/bsbbs/まずは僕の記事中の言葉の間違いが指…

森美術館完全?レビュー#9

「六本木クロッシング」展・全作品コメント、その7。うおー、ついに最終回です。森美術館完全?レビュー完結編。53. ニブロール ダンス、音楽、映像と、いろんなジャンルの表現を関係付けながら活動するユニット、だそうです。今回は3面にスクリーンをたてる…

森美術館完全?レビュー#8

「六本木クロッシング」展・全作品コメント、その6。んー中途半端に残してしまいました。残り5つは明日更新します。ずいぶんしつこくこの展覧会にはつきあってしまいましたので、明日は残りのコメントに「六本木クロッシング」展全体の雑感をつけてみたいと…

森美術館完全?レビュー#7

「六本木クロッシング」展・全作品コメント、その5。いかりや長介さんが亡くなってしまいました。●40. 中西夏之 かつてハイレッドセンターなどで日本の美術シーンをリードした中西夏之が、「六本木ヒルズ52Fから見下ろされた視線」を元に、絵画・インスタレ…

森美術館完全?レビュー#6

「六本木クロッシング」展・全作品コメント、その4。今日は雨の中、MOTアニュアルとVOCA展の他に、損保ジャパン美術財団選抜奨励展(損保ジャパン東郷青児美術館 http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html)を見てきたんですが、なんと選抜奨…

森美術館完全?レビュー#5

「六本木クロッシング」展・全作品コメント、その3。ええと、この週末にMOTアニュアル展(東京都現代美術館)とVOCA展(上野の森美術館)を見て来ます。ふふふ、どちらもタダ券GET。そちらのレポはこの「六本木クロッシング」展・全作品コメントが終わってか…

森美術館完全?レビュー#4

「六本木クロッシング」展・全作品コメント、その2。 書き忘れてましたが、「六本木クロッシング」展では観客による人気投票が行われています。入口ブースで用紙を配っていますので、それを片手に、「1番気に入ったもの」を探す感覚でみると、作品の数に呆然…

森美術館完全?レビュー#3

「六本木クロッシング」展・全作品コメント、その1。入口に新聞形式の作品マップがあります。これは必ずゲットしましょう。地図なしでこの会場を歩くのは無謀です。美術好きな人で、解説を読むことをかたくなに拒否する人がいますが、ここでそれをやると1/3…

森美術館完全?レビュー#2

●草間彌生展「クサマトリックス」(ネタばれ含む)ここからの文章は、展示におけるネタばれを含みます。初見の驚きを大事になさりたい方はご注意を。こんな文章を読んでる方なら、六本木ヒルズ敷地内に足を踏み入れたとたん気が付くと思うのですが、会場に入…

森美術館全体の印象

森美術館全体の印象です。 汐留のジャン・ヌーベルによる電通本社ビル並みにアニメチックな六本木ヒルズの外観は、なんというか、とりあえず笑えます。というより、ここで笑えない人は、この先があんまり楽しめないでしょう。無理にでも1度指を指してゲラゲ…

森美術館完全?レビュー

3/13に、森美術館に行ってきました。草間弥生「クサマトリックス」展と、同時開催の「六本木クロッシング」展です。 「六本木クロッシング」に関しては、57という出品者(グループ出品多数)の「数」が1つのポイントとなっていて、これを取りこぼしなくある…

記憶が生き直される

ギャラリイKで、永原トミヒロ展を見てきた。 長い影をひいた公園のベンチや水飲み場が描かれた画面。どれも色調はブルーグレーで、なんだか、夜になる直前というか朝が来た直後というか、そんな時間帯の光線加減。人の姿はないんだけど、人の気配はかすかに…

疲労には良い絵画

村瀬恭子展で、心底から「あーいい絵だなー」と思い、その快感にひたっていたら、個展終了後なかなか抜けなかった疲労が、ちょっと軽くなった気がした。これはビックリ。皆さん、疲労には良い絵画が効きます。僕は今、二日酔いの人がソルマック飲むみたいに…

技術が作る感性

TAKA ISHIIギャラリーで村瀬恭子展を見てきた。 村瀬恭子と言えば、水の中にたゆたう女性を描いて、その独特の感性で注目されるようになった画家なのだと思うけど、その感性は、村瀬恭子氏の「技術」が作り出しているのだということが、今回はっきりわかった…

展覧会めじろ押し

以下の展覧会を回る予定。 内海君が参加してるMOTアニュアル(東京都現代美術館) http://www.mot-art-museum.jp/ex/plan8.htm六本木クロッシング(森美術館) http://www.mori.art.museum/index02.html 当然クサマトリックスも見て来ます。VOCA展(上野の森…

「painting」を更新

サイト本体の「painting」を更新しました。 この冬に描いたミックスジャム参加作品と、先日の個展で展示した作品を追加してあります。 http://www.tcat.ne.jp/~kyouichi/

個展が終わって3日目だけど、疲労がとれないです。ま、先週やらなければいけなかった仕事を今週に回したので、仕事が忙しいというのもありますが。

個展終了

masuii R.D.Rでの個展が無事終了しました。御来場下さった方、どうもありがとうございました。 来場者数は若干厳しいものがありましたが、新しいことがやりたいというR.D.Rのスタッフの皆さんや、来てくれた方々とのディスカッションは、とても充実したもの…