2006-01-01から1年間の記事一覧

下記の場所に、作品を1点展示してきました。 http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=36%2F11%2F16.434&lon=139%2F42%2F27.556&layer=1&ac=08204&mode=map&size=s&pointer=on&sc=3 関東つくば銀行古河支店の隣にあるお店のショーウインドーです。かなりの長期間置い…

まだ詳細が未確定ですが、個展の予定があります。●永瀬恭一展 2006年12月〜2007年3月 Bar&Gallery 殻々工房 http://karakarakobo.seesaa.net/ http://karakara.pepper.jp/life/ 栃木県那須郡那須町高久乙820-162 営業時間17:00〜24:00 木曜定休 ※臨時休業…

判断/予感。そもそも「良い絵」とは何か。製作であれ鑑賞であれ、今目前にある絵画が「良い」と(あるいは「良くない」と)確定できる事が常なのだろうか。実際の現場はほとんど逆だ。今、目の前にある絵が、「良い」か「良くない」かは、大抵の場合“明らか…

良い絵画、とは何なのかを問われて、すらりと答えられる人というのはいるのだろうか。それが例えば、ある「状況」に対して「有効」であるとか、「趣味として好き」だとか、そういう事に還元できるのであれば、どれ程簡単だろうかと思う。なぜそれが簡単なの…

終わってしまったが、東京国立博物館で「プライスコレクション/伊藤若冲と江戸絵画」を見て来た。伊藤若冲を目当てに行くと、三の丸尚蔵館での「動植綵絵」の展観に比べてやや散漫な印象を持ってしまう。こういう言い方はたぶん不当だろう。「動植綵絵」は伊…

雑記。今程美術の歴史の中で「色彩」というものが無頓着に使われている時代というものもないのではないか。なぜああも無闇やたらと“カラフル”な絵を描いたり、逆に映像的イメージに隷属させるような色の扱いをしたり、ただのインパクトのためにどぎつい色を…

ホテルオークラ別館で行われている「花鳥風月 日本とヨーロッパ」展にあったヴラマンクの「大きな花瓶の花」を見て、ヴラマンクって思っていたより面白い作家だと感じた。「大きな花瓶の花」は1907年に制作されていて、簡易なパンフレットによれば縦101.5cm×…

直島・ベネッセアートサイト(8)(最終回)

直島で使われる「サイト・スペシフィック」という言葉は、どこかカッコ付きではないかと思わせるものがある。とりあえず野外作品に関して言えば、その「サイト・スペシフィック性」が希薄だ。なんとなく前の記事での草間彌生の「南瓜」が流されてしまった話…

直島・ベネッセアートサイト(7)

ベネッセアートサイトの屋外作品を見ていると、2000年に見て回った越後妻有トリエンナーレでの野外作品を思い出す。野外の作品の場合、そこに置かれるオブジェクトが図であるなら、背景というか、場所が地になるわけだが、これが直島のような、バックに「海…

ゆーじん画廊で岡崎乾二郎展を見た。この展覧会を見たのは金曜日の夕方で、面白かったので帰宅中はすぐにでも文章を書こうと思ったのだが、実際に家についてみると、どうも文章を打つ気にならなくて、そのうち製作を始めてしまい文章のほうは今まで放ってお…

直島・ベネッセアートサイト(6)

ベネッセハウスについて。本館はミュージアムと呼ばれ、宿泊室と美術館がほとんど分離せずにある。また別館はオーバルと呼ばれ、ミュージアムからモノレールで10分ほど登った所にある。こちらは宿泊専用施設とされている。ベネッセハウスは直島に最初にでき…

直島・ベネッセアートサイト(5)

家プロジェクトについて書く。直島の本村という集落の4件の建物(古い民家等)を利用したり新築したりして作られた一種のインスタレーションだ。ジェームズ・タレルが最もよかった。地中美術館と併せて考えると、ベネッセアートサイトの中軸はやはりタレルで…

直島・ベネッセアートサイト(4)

地中美術館に関して、僕は最初に「美術的に最も良い」と言っておきながら、思わず親密な気分に「させられる」と書いてしまったり、あるいは「息苦しさがある」と書いている。この理由について考えた。最初のエントリで僕は、モネの部屋の展示があまりに厳格…

直島・ベネッセアートサイト(3)

地中美術館はとても親密な気分にさせられる場所だと思う。この「親密さ」の原因は、僕が訪れた時がそれほど混雑していなかった*1、あるいは雨が降っていて、建物を含めた周辺の雰囲気がどこかひっそりした感じになっていたという偶発的な事情にもあるかなと…

直島・ベネッセアートサイト(2)

地中美術館に最もフィットしていて、バランス良く見えるのはジェームズ・タレルの3作品だ。「オープン・フィールド」と題された作品は、2室に別れた空間で構成される。前室は白い部屋に大きな開口部があり、その開口部は真っ青な光りに染まっている。そこへ…

直島・ベネッセアートサイト(1)

直島でベネッセアートサイトを見て来た。面白かった。この面白さはいくつかに分節して書かなければいけないと思う。具体的には、美術館+ホテルとその周辺の野外設置作品、本村の民家を利用した家プロジェクト、運営組織が異なる地中美術館という複数の要素が…

あきらめが悪いが、直島アートサイトと奈義町現代美術館についてもう少し書く。この二つの「サイト・スペシフィック」というものを基盤にした美術館には、何か質的な差がある予感がする。 直島にある作品はベネッセのアートコレクションとアーティストに発注…

直島行きに関して、ついでに寄る美術館を丸亀の猪熊弦一郎美術館ではなく、奈義町現代美術館に変更しようと画策した。 ●奈義町現代美術館 http://town.nagi.okayama.jp/moca/index.html なぜこの美術館を思い出したかと言えば、ここは直島のベネッセアートサ…

直島行きを計画している。ベネッセアートサイトの美術作品を見る事が目的で、合わせて少し足を伸ばして丸亀の猪熊弦一郎美術館も見る予定でいる。 ●ベネッセアートサイト http://www.naoshima-is.co.jp/ ●丸亀市猪熊弦一郎美術館 http://web.infoweb.ne.jp/M…

ワールドカップが終わった。決勝のフランス×イタリアはPKでイタリアが勝った。この試合を決定づけたのはジダンの退場で、そのきっかけになったマテラッツィの発言が、いろいろと憶測を呼んでいる。その内容はいずれ明らかになるだろうが、およそ聞くに耐えな…

武蔵野美術大学の美術資料図書館で「見ること/作ることの持続」展を見てきた。藤枝晃雄氏により選定された作家による展覧会で、7名全員が武蔵野美術大学の卒業生で構成されている。この中で最も強く印象に残ったのが依田順子氏の作品で、名前も作品も初めて…

サッカーのワールドカップが決勝戦と3位決定戦を残すのみになった。今朝未明のフランス対ポルトガルの戦いでは、けして双方のベストパフォーマンスが見られたわけではないものの、やはりここまで勝ち上がって来たチームは1次リーグとは水準の違う動きを見せ…

三の丸尚蔵館で「花鳥-愛でる心、彩る技-若冲を中心に」3期目を見て来た(この3期は日曜日で終了した)。2期目に関しては以下のエントリをアップしている(参考:id:eyck:20060515)。今回も「動植綵絵」30幅のうち6幅が展示されている。 前回の展示とは少し…

ブリヂストン美術館で坂本繁二郎展を見た。坂本の多数の作品の中で、ことに特異なのが1923年、フランスで描かれた「ブルターニュ」という作品だ。キャンバスに油彩で描かれている。カタログによると、縦45.9cm×横54.8cmの大きさがある。 色面が、ほとんど風…

早くも忘れられようとしている話題だろうか。サッカーワールドカップ、日本代表の戦いでは、日本サッカーを日常的に覆っている自己保護的な幻想が、現実の力によって突き崩される有り様が見えた。人事ではない。僕自身も「もう少し高いレベルで戦える」と思…

東京都現代美術館でカルティエ財団コレクション展を見てきた。注目すべきはアルタヴァスト・ペレシャンの映画「我らの世紀」(1982)だ。これを見るだけでも木場まで足を運ぶ意味があると思う。全編モノクロの作品で、ペレシャン自身が撮影した映像はなく、…

サッカーワールドカップ、日本対クロアチアは0-0で引き分けに終わった。負けに等しい引き分けとか、ほとんど勝っていたけれど引き分けとかいう言い方が氾濫しているが、そういう表現にあまり意味はない。単に0-0の引き分けで勝ち点1をとったという事実だけを…

うらわ美術館で「培広庵コレクション 近代の美人画」展を見に行った。事前に読んだ土屋誠一氏の「試評」での伊東深水を取り上げたtxt(参考:http://pg-web.net/off_the_gallery/tsuchiya/main.html)の影響もあった。このエントリにも、土屋氏の文章の反響…

ブリヂストン美術館所蔵、セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」について。1904-06年頃に製作されたとされている。キャンバスに油彩で描かれている。縦66.2cm×横82.1cmの大きさがある。 画面向かって左の辺の上部わずかを残して、濃いビ…

サッカーワールドカップ、日本×オーストラリアの結果には「リアルだなぁ」という感慨が浮かぶ。日本代表チームが積み上げて来た4年間そのままが表れていたように思う。日本代表は個々の局面でボールへの寄せが遅く、結果的に多くのセカンドボールを奪われて…